彼「やり直そう、俺が悪かった」→「もう引っ越すから」6年の恋人の浮気を知った私が選んだ決断
「やり直そう」は、もう遅い
浮気が発覚したのは、些細な嘘のほころびからだった。六年付き合った恋人が、年下の相手と会っていた。最初こそ言い逃れをしていたが、問い詰めると認めた。
相手は六つも年下だという。彼にとって、私と重ねた六年はその程度のものだったのだと、静かに思い知った。
問い詰めた夜、彼は開き直ったように「もう気持ちが離れてた」と言った。その言葉が、六年の終わりを告げる合図だった。
おかしなことに、発覚してから彼は人が変わったように優しくなった。
「やり直そう、俺が悪かった」
頭を下げ、何度もそう繰り返す。花を買ってきたり、急に家事を手伝い始めたり。以前の私なら、その姿にほだされていたかもしれない。
でも、一度ひびの入った信頼は、もう元には戻らなかった。優しくされるほど、これが続くはずがないと、心が冷めていくのが分かった。
六年分の荷物をまとめて
私は復縁の返事をする代わりに、休みの日を使って、ひそかに次の住まいを探し始めた。
彼を責め立てることも、周りに言いふらすことも考えなかった。そんなことをしても、失った六年は戻らない。それより、自分の人生を立て直すことのほうが、よほど大切だった。
不動産屋を回り、日当たりのいいひとり暮らし用の部屋を見つけた。
契約を済ませ、彼のいない時間に、少しずつ荷物を運び出す。段ボールが一つ増えるたびに、気持ちが軽くなっていった。
荷造りをしながら、彼と過ごした部屋を見回した。二人で選んだカーテンも、一緒に買った食器も、もう何の未練もなかった。必要なものだけを箱に詰め、あとは思い切って手放した。
準備が整った日、私は彼に告げた。
「もう引っ越すから」
彼は一瞬、言っている意味が分からないという顔をした。
「え、待てよ。やり直すって話は」
「その話は、もう終わってるの」
声が震えないのが、自分でも意外だった。
彼の顔から、取り繕った優しさが剥がれ落ちていく。引き止めれば元通りになると信じていたのだろう。
慌てて言葉を探す彼を前に、私はもう、次の生活のことだけを考えていた。
後日、共通の友人から「彼、ずいぶん落ち込んでるらしいよ」と聞いた。少しだけ胸がすいた。けれど、もうその話に興味は湧かなかった。
新しい部屋で迎えた最初の朝。誰にも気兼ねなく、好きな時間に起きて、好きなコーヒーを淹れる。それだけのことが、こんなにも自由だと思わなかった。
六年分の未練は置いてきた。ここから始まる生活は、全部、自分のために使うと決めている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














