「今日も犬と散歩よ!」面倒くさがっていたのに積極的に散歩する妻。だが、妻の嘘を知った瞬間、離婚を決意した
妻の外出が、半年で倍になった
結婚して八年。妻がやたらと外へ出るようになったのは、この半年のことだ。理由はいつも同じで、飼い犬の散歩だった。
朝も夕方も、時には夜も。以前は「面倒くさい」と言っていた散歩に、今は自分から進んで出ていく。
「今日も犬と散歩よ!」
そう言って玄関を出る妻は、どこか浮ついて見えた。二時間近く戻らないこともある。帰ってくると、化粧が少し崩れ、機嫌だけがやけに良かった。
更年期かとも考えた。だが私が長期の出張から戻った日、留守番を頼んでいた義母がふと漏らした。
「奥さん、毎晩どこかへ出かけてたわよ。犬も連れずにね」
犬を置いて、散歩に出る。その一言で、私の中の疑いは形を持ち始めた。
翌朝、いつも通りリードを持って出ていく妻に、私は「気をつけて」とだけ返した。動揺を悟られないよう、努めて普段どおりに。腹を決めるには、まだ時間が要る。
怒鳴る前に、半年かけて確かめた
ここで感情的になれば、相手は逃げ道を探すだけだ。私はあえて何も言わず、半年かけて静かに事実を集めることにした。
妻が出かける曜日と時間。戻ったときの様子。財布の中のレシート。
一つずつ、淡々と記録していった。責め立てるためではない。自分が納得して、けじめをつけるためだ。
妻が出かけるのは、決まって火曜と金曜の午後だった。二時間きっかりで戻り、玄関に入る前に髪を手で直す。
犬はといえば、散歩の後もまるで疲れた様子がなかった。
やがて、相手の男の存在も、二人が会っている場所も見えてきた。感情が乱れなかったと言えば嘘になる。それでも私は、集めたものを黙って封筒にまとめた。
ある日の夕食後、私は静かに切り出した。
「その相手の名前、知ってるよ」
妻の箸が止まった。
「な、何のこと?」と笑おうとして、頬が引きつっている。私は封筒から、日付の入ったメモを一枚ずつ出して並べた。
「半年、見てきた。もう散歩の言い訳はいらないよ」
妻の顔から血の気が引いていく。言い返そうとして口を開き、けれど何も出てこない。やがて、目を伏せて黙り込んだ。
私はテーブルに、離婚届を置いた。取り乱すでも、怒鳴るでもなく。
「これで、きれいに別れよう」
いつも強気で、家の空気を握っていたのは妻のほうだった。その人が今、肩を落として小さくなっている。立場が、静かに入れ替わった瞬間だった。
数日後、判を押した離婚届を受け取り、私は犬のリードを手に取った。今度こそ、私が散歩に連れて行く。夕暮れの道は、驚くほど静かだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














