「はい、順番にどうぞ」息子だけ配られなかったおやつ。3日後、判明したのはママ友の優しさだった
我が子だけ、手ぶらだった公園
長男が幼稚園に上がったばかりの春、クラスのママたちと公園に集まるのが楽しみになっていました。
その日は、いつも場を仕切ってくれるママが、手作り風のクッキーをみんなに配ってくれました。
「はい、順番にどうぞ」
ところが、息子の番だけ、なぜか彼女の手が止まったのです。
「ごめんね、あとで渡すね」
結局その場では、周りの子が頬張る中、息子だけがもらえませんでした。「なんで?」と顔を曇らせる息子を見て、私の胸はざわつきます。
(もしかして、うちだけ仲間外れ……?)
考えないようにしても、疎外感がじわじわと広がっていきます。息子は途中まで泣きそうな顔をしていましたが、私が抱き上げると、いつのまにか砂場のことを話し始めました。
子どもはすぐに切り替えられるのに、親のほうがいつまでも引きずってしまう。楽しいはずの公園からの帰り道が、その日はやけに長く感じました。
3日後に明かされた思いがけない真相
数日後、そのママがわざわざ家の近くまで来て、私を呼び止めました。
「この前のこと、ずっと気になってて」
そう言って差し出したのは、個包装された別のおやつでした。
「あの子には別で用意してたの」
意味がのみ込めずにいる私に、彼女は続けました。あの日のクッキーには卵が入っていた。息子に卵アレルギーがあると以前の立ち話で覚えていた彼女は、うっかり口にさせないよう、あえて配らなかったのだといいます。
「みんなと同じに渡して、もし食べちゃったらと思うと怖くて」
その代わりに、卵も乳も使っていない安全なおやつを、こっそり別に準備してくれていたのです。
「その場で『アレルギーだから』って言うと、本人が寂しい思いをするかなって。黙っててごめんね」
疎外だと思い込んでいた出来事の裏に、これほどの心配りがあったなんて。あの日、その場で理由を問い詰めなくて本当によかった。恥ずかしさと、ありがたさで胸がいっぱいになりました。
「そこまで気にかけてくれてたなんて、思ってもみませんでした」
「気づかずに、勝手に落ち込んでました。本当にありがとうございます」
私が頭を下げると、彼女はやわらかく微笑みました。家に帰って息子にそのおやつを渡すと、目を輝かせて頬張ります。
「これ、僕だけのおやつなんでしょ?」
その無邪気な笑顔を見て、思い込みで人を疑いかけた自分を、少しだけ反省したのでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














