「しっかり見定めさせてもらいますね」結婚式のスピーチで宣言した義妹。数ヶ月後、家に泊まりに来た義妹の行動に絶句
「見定めさせてもらいます」と言った義妹
義妹は、結婚式のスピーチで堂々と宣言した人だった。
「大好きなお兄ちゃんが、どんな人と結婚するのか。私、しっかり見定めさせてもらいますね」
笑いを誘う口調だったけれど、その言葉は、なんとなく胸の隅に引っかかっていた。
兄想いなのは微笑ましい。ただ、その「見定め」がどこまで本気なのか、私にはまだ分からなかった。
答え合わせは、思ったより早くやってきた。結婚から数ヶ月後、義妹が初めて我が家に泊まりに来たのだ。
夕食を終えたあと、義妹の姿が見当たらない。探すと、洗面所で洗濯機の蓋を開け、身を乗り出すようにして中を覗き込んでいた。
やがて、彼女は糸くずフィルターを手に、リビングへ戻ってきた。そして、待ってましたとばかりに言い放った。
「フィルターのゴミ、見つけました」
その顔は、どこか誇らしげですらあった。兄の妻の家事が行き届いているか、わざわざ確かめに来た。そういうことらしい。
「次はどこ検査します?」と笑って
正直、あきれてしまった。フィルターに糸くずが少し残っていた。ただ、それだけのことだ。
むきになって言い返すのも、大人げない。少し考えて、私はにっこり笑って、こう返すことにした。
「わざわざありがとう。せっかく来てくれたんだもの」
「次はどこ検査します?」
「浴室の排水口も気になる?それとも、換気扇のほうから見てみる?」
予想外の返しだったのだろう。得意げだった義妹の表情が、一気にこわばった。
「い、いえ…そんな、検査だなんて」
「ふふ、冗談よ。でも、気になるところがあったら、いつでも言ってね。この家のことは、私とあったで、ちゃんとやっているから」
やんわりと、けれど芯のある言い方だったと思う。義妹は、つまみ上げた糸くずの行き場を失って、そっと手を下ろした。
ちょうどそこへ、夫がお茶を運んできて、朗らかに笑った。
「こいつ、昔から俺のことになると必死なんだ。まあ、それだけ兄が大事なんだよな」
兄にそう言われ、義妹はようやく肩の力を抜いて、決まり悪そうに笑った。
「……お義姉さん、ごめんなさい。ちょっと張り切りすぎました」
その一言で、張り詰めていた空気がふっとほどけた。粗探しをしに来たはずの夜は、いつのまにか、三人で笑い合う夜に変わっていた。
あれ以来、義妹が洗濯機を開けることは、二度となくなった。今ではすっかり打ち解けて、私を本当の姉のように慕ってくれている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














