「お財布、また忘れちゃった!」ランチ会で払わないママ友。だが、ママ友全員で今までのお金を請求した結果
膨らんでいった立替え
幼稚園のママ友たちと、ときどき開いていたランチ会。その席で、いつも決まったように財布を出さない人がいた。
「お財布、また忘れちゃった!後で振り込むから立て替えておいてくれる?」
「うん、いいよ」
一度や二度なら、誰にでもあることだ。けれど彼女の場合、それが毎回で、しかも振り込みは一向に行われなかった。
気づけば私が立て替えた分だけでも、それなりの額になっていた。他のママたちに尋ねてみると、似たような声が次々と返ってきた。
「うちも何回か立て替えたきり、戻ってきてないよ」
「またあの人か、って正直みんな思ってるよね」
角を立てたいわけじゃない。ただ、貸したお金はきちんと返してほしい。それだけのことだった。
みんなで合わせた帳尻
私たちは相談のうえ、各自が立て替えてきた額を一枚のメモに書き出すことにした。
日付ごとに金額を並べていくと、合計はおよそ一万二千円。改めて数字で見ると、ため息が出るほどの額だった。
「これ、ちゃんと言わないとずっとこのままだよね」
「何ヶ月も我慢したんだもん。きちんとお願いするだけだよ」
計画はこうだ。その日のランチ会では、いつも通り立て替えておく。問いただすのは、お店を出る帰り際。彼女が身構えないように、最後まで普段通りに振る舞う。
そして当日、彼女はやはり笑顔で言った。
「ごめんね、今日も財布忘れちゃって」
その場で終わった先延ばし
会計を終えて店の外に出たところで、私はメモを取り出した。
「ねえ、今までの立て替え分、ここで一度まとめて精算しちゃおうよ」
並んだ金額の一覧を見せると、彼女の表情が固まった。
「今、ちょっと現金がなくて…また今度でいい?」
「現金じゃなくて大丈夫だよ。電子決済も使えるし」
「振込でもいいから今この場で」
隣のママも、落ち着いた声で続いた。
「みんな同じように待ってたの。ここで綺麗にしようよ」
取り囲むつもりはなかったが、結果として全員の視線が彼女に向いた。
彼女は言葉を探すように口を開きかけ、そのまま閉じた。
やがて観念したのか、顔を真っ赤にして、その場でスマホから一人ずつに送金していった。先延ばしにされ続けたお金が、ようやく戻った瞬間だった。
「ありがとう。これですっきりしたね」
私が笑いかけても、彼女はうつむいたまま目を合わせなかった。いつもの軽やかな調子は、すっかり消えている。その日を境に、彼女から距離を置かれるようになり、ランチに誘われることも自然となくなった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














