「チャッピー、どっちがおすすめ?」初デートのプランをAIに相談する男。だが、食事中の態度に呆れた
期待して向かった初対面
アプリで知り合った男性と、初めて顔を合わせる日。
プロフィールの印象も良く、私は少し胸を弾ませて待ち合わせ場所へ向かった。
現れた彼は、写真そのままの感じのいい人だった。物腰もやわらかく、話し方も丁寧で、これは当たりかもしれない。
そんな期待が、最初の数分で芽生えた。ところが、その期待はすぐにしぼんでいくことになる。
「これからどうしましょうか。行きたいところとかありますか」
私の何気ない問いかけに、彼はなぜかスマホをすっと取り出した。デートの行き先を、誰かに尋ねるかのように。
何かにつけてチャッピー
「チャッピー、どっちがおすすめ?」
彼が話しかけた相手は、私ではなかった。
チャッピーと呼ぶAIに、行き先を相談しはじめたのだ。
「自分で決めなくて大丈夫ですか?」
「うん、チャッピーに聞けば間違いないから」
AIが選んだという店に入っても、それは続いた。
メニュー選びも、話題の振り方も、ことあるごとに画面へ。私が好きな食べ物の話を振っても、返事はそこそこに、彼はまた手元のスマホに目を落としてしまう。
会話のテンポは、いつも私とではなく機械側にあった。
「ねえチャッピー、次はどこに行けばいい?」
その一言を聞いたとき、私はもう気持ちが冷めていた。デートの相手は、どう見ても私ではなく、彼の手の中の機械だったのだから。
席を立った瞬間
頃合いを見て、私はバッグを引き寄せた。
「今日はここまでにしましょう。次はもう、ないと思います」
彼は信じられないという顔で目を丸くして、引き止めるように身を乗り出した。
「えっ、どうして」
「希望を聞いてくれてたの、ずっとチャッピーでしたよね」
そう告げると、彼の言葉がぴたりと止まった。とっさにスマホへ目を落とし、また相談しかけて、私の冷ややかな視線に気づいて固まる。
口を開きかけては、何も言えずに閉じる。その繰り返しだった。いつものように、AIが答えを出してくれるのを待っているようにも見えた。
「ごちそうさまでした。私の分、ここに置いておきますね」
私は財布から自分の分を出して、静かに席を立った。
彼はうつむいたまま、スマホをぎゅっと握りしめていた。さすがのAIにも、この状況の正しい答えは出せなかったらしい。店を出て夜の街を歩きながら、私はひとり、ふっと笑った。変わった相手ときっぱり縁を切れて、これでよかったと心から思える夜だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














