tend Editorial Team

2026.07.24(Fri)

「あなた達親子は品がない」と失礼な言葉をぶつける伯母。だが、私が明かした事実で形勢逆転

「あなた達親子は品がない」と失礼な言葉をぶつける伯母。だが、私が明かした事実で形勢逆転

法事の席で聞こえた見下し

祖父の法要のあと、親戚一同で会食の席についたときのことだ。

実母の姉である伯母は、料理より先に口を動かした。

標的はいつも、妹である私の母だった。

「あなた達親子は品がない」

箸の持ち方から服の趣味まで、伯母は事あるごとに母をあげつらってきた。

見栄っ張りで、自分の家柄を持ち出しては悦に入る人だった。

「妹はこういう場のマナーも知らないし。娘さんもねえ、やっぱり育ちが出るわよ」

母はうつむいて、味噌汁の椀をじっと見ていた。

反論しないのは、いつものことだった。

私は、その横顔を見ていられなかった。

思い返せば、法事も墓の管理も、いつだって母任せだった。

祖父が亡くなってからというもの、伯母は「遠いから」「体が弱いから」と理由をつけて、一度も墓に足を運んでいない。

それでいて、こういう席では必ず母を見下す。理不尽さに、こめかみが熱くなった。

ほかの親戚たちも、伯母のふるまいには気づいていた。ただ、角が立つのを恐れて、みんな見て見ぬふりをしていただけだった。

静かな一言で傾いた空気

私はお茶を一口飲んで、伯母をまっすぐ見た。

怒鳴るつもりはない。事実だけを、静かに置けばいい。

「母は20年墓を守ってます」

伯母の箸が、止まった。

「祖父が亡くなってからの掃除も、毎月のお供えも、法事の準備も、母がずっと一人で続けてきました。品って、そういうところに出るんじゃないですか」

伯母の頬がこわばった。

「私だって、気にかけてたわよ」と言いかけて、語尾が消えていく。

目が泳ぎ、助けを求めるように周りを見回した。

「品というなら、遠くても手を合わせに来ることの方が、よほど品があると私は思います」

私が続けると、伯母は箸を置いたまま、もう一言も返せなかった。顔だけが赤くなって、視線がテーブルの上をさまよう。

けれど、誰も伯母の側にはつかなかった。

「本当にね。お墓のこと、ずっと任せきりだったものね」

年配の親戚がそう口を開くと、テーブルのあちこちで小さなうなずきが広がった。潮目が変わった瞬間だった。

それから伯母は、料理が下げられるまで一言も家柄の話をしなかった。会食が終わると、母のところへ来て、ぼそりと頭を下げた。

「……いつも、ありがとう」

帰る伯母の足取りは、来たときより明らかに重かった。

あれほど家柄を誇っていた人が、玄関で靴を履く手つきまで小さく見えた。

母は隣で目を丸くしていたが、やがて肩の力が抜けたように、ふうっと息をついた。長年ためこんだものが、ほんの少しほどけた夜だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.10(Thu)

「職場にいざこざを持ち込まないで」乾杯の挨拶で夫婦の職場事情を持ち出した上司。思わぬ言葉に会場が静まった
tend Editorial Team

NEW 2026.09.10(Thu)

「前のお客様のお会計が途中でして」会計途中で化粧室へ行った無口な常連客。レジ前での葛藤とは
tend Editorial Team

NEW 2026.09.10(Thu)

「また落ち葉がうちの前まで来てますよ」2年続いた隣人からの苦情。毎朝掃っていた私が木を切ると決めた理由とは
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.04.08(Wed)

「言い訳はいいから。早く修正してよ」自分のミスを人のせいにする上司。海外育ちの別の上司が放った一言にスカッとした話
tend Editorial Team

2026.08.21(Fri)

「ちょっとお金が厳しくて」付き合って2週間で100万円を振り込んだ彼。だが、ラーメン一杯で喜ぶ姿に感じた本音
tend Editorial Team

2026.03.30(Mon)

「悪手な気がする」「政治と無関係な方向に進む」と否定的な声相次ぐ。石丸伸二氏、恋愛リアリティーショーへの出演を発表
tend Editorial Team