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2026.09.09(Wed)

「え…今の、見た?」朝食会場で素手で触ったパンを戻す人。迷った末にフロントへ伝えた結果

「え…今の、見た?」朝食会場で素手で触ったパンを戻す人。迷った末にフロントへ伝えた結果

パンを取る手を見て、思わず目が止まった

旅行先のホテルで朝食会場に入ったときのことです。

案内された席からは、パンが並ぶ台がよく見えました。

しばらくすると、団体のお客さんが入ってきて、料理の前が急ににぎやかになりました。

その中で、私はある光景に目が止まりました。

パンの横にはトングが置いてあるのに、それを使わず、素手でパンを持ち上げている人がいたのです。

一つ手に取って裏返し、気に入らなかったのか、またかごへ戻します。別のパンを触って、また戻す人もいました。

「え…今の、見た?」

思わず小声で連れに聞くと、相手もパンの台を見ました。

「うん。手で触って戻してたね」

「あれ、ちょっと嫌じゃない?」

そう言いながらも、私はすぐには席を立てませんでした。

わざわざ言いに行くほどなのか、細かいことを気にしすぎなのかと迷ったからです。

けれど、そのあと小さな子どもを連れた家族がパンの台へ来ました。子どもが嬉しそうにかごを指さしているのを見て、やはり黙っているのは嫌だと思いました。

「あのパン、一度見てもらえませんか」

食事を終える前に、私はフロントへ向かいました。

「すみません、朝食会場のことでちょっといいですか」

スタッフが「はい、どうされましたか」とこちらを向きます。

「パンなんですけど…トングを使わずに、手で触って戻している人が何人かいて」

言いながら、自分でも少し言いづらくなりました。

「私が気にしすぎなのかもしれないんですけど、みんなが食べるものなので…あのパン、一度見てもらえませんか」

スタッフは表情を変えずに、「お知らせいただいてありがとうございます。会場を確認します」と答えてくれました。

席へ戻ると、連れが私の顔を見ました。

「言ってきた?」

「うん。ちょっと緊張した」

「でも、言ってよかったと思うよ」

その言葉を聞いて、少し肩の力が抜けました。

ほどなくしてスタッフがパンの台へ来て、かごの状態を確認していました。

その後、パンは新しいものに替えられ、台の前にはトングを使うよう案内が出されました。

しばらくはスタッフも近くに立ち、パンを取ろうとする人に「こちらのトングをお使いください」と声をかけていました。

さっき見かけた家族も再びパンの前に来ました。小さな男の子が母親に手伝ってもらいながら、一生懸命トングでパンを挟んでいます。

それを見て、私はようやくほっとしました。

「やっぱり、言ってよかったね」

連れにそう言われ、私は小さくうなずきました。

その場で誰かを注意する勇気はありませんでした。それでも、気になったことをホテルの人に伝えるくらいならできる。あの日は、それで十分だったのだと思います。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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