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2026.09.09(Wed)

「今の時代、それ褒め言葉じゃないよ」久しぶりに会った孫を見て笑う祖母。だが、食卓の箸が一斉に止まった一言

「今の時代、それ褒め言葉じゃないよ」久しぶりに会った孫を見て笑う祖母。だが、食卓の箸が一斉に止まった一言

正月の食卓で、箸の音が一斉に止まった

祖母の家の正月は、座卓の上がいつも渋滞している。

煮しめの大皿と、数の子の小鉢と、栓を抜いたばかりの瓶ビール。

人が集まると、この座卓はどうしても少し狭い。

台所から戻ってきた祖母が、私の隣にぺたんと腰を下ろした。

会うのは久しぶりで、座るなり私の顔をまじまじと見ている。母は向かいで取り皿を配り、叔父はもう二杯目を注いでいた。

「あらあ、ちょっと見ないうちに変わったわねえ」

「そう?自分じゃ全然分からないけど」

「きれいになったじゃない。ねえ、本当に」

祖母がうれしそうに言うので、私は少し照れながらビール瓶に手を伸ばした。

すると祖母は、さらに私を眺めてから言った。

「それに、お尻もずいぶん立派になって」

一瞬、何を言われたのか分からなかった。

座卓のあちこちで箸が止まり、叔父はコップを口元まで上げたままこちらを見ている。

いとこも数の子をつまんだ箸を宙で止めていた。

私が「え?」と笑うしかないでいると、向かいにいた母がすぐ口を挟んだ。

祖母は本気で褒めているつもりだった

「お母さん。今の時代、それ褒め言葉じゃないよ」

母の声には呆れたような笑いが混じっていた。

「えっ、なんでよ。褒めてるのよ、私」

祖母は心外そうな顔で母を見る。

「分かってる、分かってる。でも本人にいきなり『お尻が大きくなった』は、ちょっとね」

「あら…そうなの?」

祖母は今度は私の顔をのぞき込んだ。

「嫌だった?」

あまりに申し訳なさそうな顔をするので、私も吹き出してしまった。

「嫌っていうか…びっくりした」

「そうよねえ。ごめんね。でも本当に、悪い意味じゃないのよ」

「それは分かってるよ」

祖母にとっては、体つきがしっかりしたことも含めて、元気そうになったと褒めたかったらしい。悪気がないことだけは、慌てている顔を見れば十分伝わった。

それでも母は笑いながら念を押した。

「次からは『きれいになった』で止めときなよ」

「分かったわよ。じゃあ…きれいになったねえ」

祖母は私の肩をぽんとたたいた。

「はい。これならいい?」

「うん。それなら素直にありがとうって言える」

「難しいわねえ。褒めるのも気をつけなきゃいけないのね」

そこで叔父がとうとう吹き出し、いとこも笑い始めた。さっきまで止まっていた箸が、ようやく動き出す。

祖母もつられて笑いながら、私の取り皿に煮しめを次々とのせてきた。

「ほら、もっと食べなさい。まだあるんだから」

「おばあちゃん、今その流れでそれ言う?」

「これはいいでしょう。食べなさいって言っただけよ」

「それはまあ、いいけど」

今度は母まで声を上げて笑った。

祖母は何がそんなにおかしいのか分からないという顔をしながら、もう次の煮物を私の皿にのせていた。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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