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2026.09.09(Wed)

「これ、ずっと同じ子を撮ってない?」叔父に任せた結婚式のビデオ。だが、映っていたのは

「これ、ずっと同じ子を撮ってない?」叔父に任せた結婚式のビデオ。だが、映っていたのは

80人を招いた式で、カメラだけは身内に任せた

20年ほど前の秋、私は建ったばかりのホテルで結婚式を挙げました。

上司や親戚、友人を合わせて80人ほど。

大きな窓から光が入る、明るい会場でした。

できるところは少しでも費用を抑えたいと、夫と相談していたときのことです。

ビデオ撮影をどうするか話していると、母が言いました。

「それなら叔父さんにお願いしたら?カメラ好きだし、喜んでやってくれるんじゃない?」

私は少し迷いました。

「でも、せっかく来てもらうのに、ずっと撮影してもらうのも悪くない?」

「本人に聞いてみればいいじゃない。嫌なら嫌って言うでしょう」

母にそう言われ、叔父に電話をしました。すると叔父は思っていた以上に乗り気でした。

「いいよ、任せて。せっかくなんだから、ちゃんと残してやるよ」

その言葉に、私はほっとしました。

当日も叔父は開場前から会場に入り、三脚を置く位置を何度も確認していました。

「叔父さん、ありがとう。無理しないでね」

「大丈夫、大丈夫。こういうの好きだから」

笑って答える叔父を見て、頼んでよかったと思っていました。

再生してしばらくすると、夫が黙り込んだ

式は無事に終わり、私たちはそのまま新婚旅行へ出ました。

帰ってきた週末、さっそく夫と二人でビデオを見ることにしました。

入場、誓いの言葉、乾杯。最初のうちはきちんと撮れています。

「思ったよりちゃんと撮れてるね」

私がそう言うと、夫も「うん、よかったな」と笑っていました。

ところが、主賓の挨拶が始まったあたりから様子が変わりました。

挨拶をしている人からカメラが離れ、友人たちが座る席のほうへ向いたのです。

私は最初、会場全体を映しているのだと思いました。

「あれ?挨拶してる人、映さないのかな」

「まあ、すぐ戻るんじゃない?」

けれど戻りません。

少し別の場所を映したかと思うと、また同じ友人のところへ。寄ったり引いたりしながら、何度もその人を映しています。

夫が巻き戻しました。

「ちょっと待って。今の、もう一回見ていい?」

無言で画面を見ていた夫が、しばらくして私のほうを向きました。

「…これ、ずっと同じ子を撮ってない?」

私も、もう気づいていました。

「うん…私もそう見える」

ケーキ入刀の途中でも、カメラは新郎新婦から離れ、その友人のほうへ向いていました。

「なんで…?」

思わず口から出ましたが、夫も答えませんでした。

もう一度巻き戻す気にはなれませんでした。

「もう、いいよ。止めよう」

私が言うと、夫は黙って停止ボタンを押しました。

友人から「見たい」と言われても、渡せなかった

そのあと私はテープをケースに戻し、棚のいちばん下へしまいました。

しばらくして、式に来てくれた友人から連絡がありました。

「ねえ、結婚式のビデオってあるんでしょう?もしよかったらダビングしてもらえない?」

「あ…ごめん。ちょっと、ちゃんと撮れてなくて」

「そうなの? みんなで見たかったんだけどな」

「うん、ごめんね」

それ以上は言えませんでした。

叔父とはその後も親戚の集まりで何度も顔を合わせました。

普通に話しかけられれば、私も普通に返しました。けれど、「あのビデオ、どうだった?」と聞かれることはありませんでした。

私から理由を尋ねることもできませんでした。

聞いたところで何と答えられるのか。それを想像すると、余計に気まずくなりそうで、結局そのままにしてしまったのです。

あの日、夫と途中まで見て以来、テープを再生したことはありません。

20年たった今も、棚の奥にしまったままです。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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