tend Editorial Team

2026.06.22(Mon)

「育休なんて、家で休んでるだけだろ」と冷たい言葉をぶつける夫。だが、離婚届を突きつけた結果

「育休なんて、家で休んでるだけだろ」と冷たい言葉をぶつける夫。だが、離婚届を突きつけた結果

三時間おきの授乳で削られていく日々

娘が生まれてからの数か月、私の一日は三時間おきの授乳で細切れになっていた。

夜泣きはとくにひどく、抱っこしてもミルクをあげても泣き止まない夜が続く。

それでも夫は、隣で背を向けて朝までぐっすり眠っていた。沐浴も寝かしつけも私の役目で、夫が手を貸したことは一度もない。

育休中の私に、夫はいつもこう言った。

「育休なんて、家で休んでるだけだろ」

その言葉を聞くたび、私はぐっと飲み込んできた。

働いていないのだから、文句を言う資格はないのだと、自分に言い聞かせて。

けれど、夜中に何度も起きて娘を抱き、昼間も家事と授乳に追われる毎日に、休んでいる時間など一秒もなかった。

育休は休暇ではなく、誰にも代わってもらえない夜勤の連続だった。

限界は静かに、けれど確実に近づいていた。

ため息ひとつに飛んできた怒鳴り声

ある深夜、娘を抱えて一時間あやし続けても泣き止まず、私は思わず小さなため息をついた。

すると背を向けて寝ていたはずの夫が、いきなり起き上がって怒鳴った。

「それが今のお前の仕事だろ!」

働いていないお前にとって、夜泣きの世話こそが仕事なのだから、ため息などつかずに黙ってやれ。

そういう意味だった。

言い終えると夫はまた布団に潜り込む。私はその背中を見つめながら、心の中で何かが冷たく固まっていくのを感じた。

涙は出なかった。ただ、決めただけだった。

差し出した一枚に、夫の指が震えた

翌朝、私は記入済みの離婚届をテーブルに置いた。

「これに判を押して」

夫はまだ寝ぼけた顔で、冗談だと思ったのか笑った。

私は手帳を開き、ここ数か月の記録を読み上げた。

夜間授乳が一晩に三回、ミルクづくりが一回十五分、おむつ替えが一日八回。

それを誰の手も借りずに続けてきた数字を、淡々と並べていく。夫の笑みが、見る間にこわばっていった。

「あなたが仕事と呼んだものを、私は一人で三百六十五日やってる。あなた、娘のおむつのサイズも知らないでしょう」

夫は何か言いかけて、言葉を失った。

離婚届に伸ばしかけた指がぴたりと止まり、わずかに震えている。自分が口にした「仕事」の重さを、そのとき初めて思い知ったようだった。

「頼む、考え直してくれ」

その声は、これまで聞いたことのないほど小さかった。いつも私を見下していた人が、初めて真正面から私と向き合おうとしていた。

あの日以来、夫は夜泣きのたびに自分から起きるようになった。離婚届はまだ私の手元にある。それは脅しの道具ではなく、私がもう黙って耐えるだけの人間ではないという、静かな証だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.09(Sun)

「このメッセージ、どういう意味?」夫のスマホに届いた短い一文。隠していた関係が明らかになった瞬間
tend Editorial Team

NEW 2026.08.09(Sun)

「うちは習い事だけで月10万」何かと子どもを比べてくるママ友。だが、私が本音を伝えた結果
tend Editorial Team

NEW 2026.08.09(Sun)

「この日の夜、残業だったよね?」夫の上着から出てきた2人分のレシート。だが、説明を聞くと半年間の嘘が崩れた
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.05.22(Fri)

あのちゃんの嫌いな芸能人発言に鈴木紗理奈が猛反論で波紋広がる!バラエティ番組のコンプライアンスといじめの境界線を考える
tend Editorial Team

2025.12.02(Tue)

義母「模様替えしといた」→夫の大事なコレクションを捨ててしまい、即日出禁になったワケ【短編小説】
tend Editorial Team

2026.01.15(Thu)

国民民主党・玉木雄一郎代表「全く事実に反します」とSNS上での憶測を否定→「玉木さんならあり得る」「憶測の話をデマと言う...
tend Editorial Team