tend Editorial Team

2026.08.04(Tue)

「子どもに5万はまだ早いから」親戚の前で甥から入学祝いを取り上げた母に、祖母が本人へ返させた末路

「子どもに5万はまだ早いから」親戚の前で甥から入学祝いを取り上げた母に、祖母が本人へ返させた末路

祝いの席のはずが

甥の高校入学を祝おうと、その日は親戚がひとつの食卓を囲んでいました。めでたい門出に、みなが笑顔で杯を交わす、あたたかな席のはずだったのです。

私の母は、甥にとっては祖母にあたります。その母が、うれしそうに一枚の封筒を取り出しました。入学祝いの五万円を、孫のために用意していたのです。

「頑張ったね。好きなものを買いなさい」

母は封筒を、まっすぐ甥の手に握らせました。甥も照れくさそうに、ありがとうおばあちゃん、と嬉しそうに受け取ります。

けれど、その隣にいた甥の母親の表情は、なぜか晴れませんでした。そして、静かに手を差し出したのです。

「子どもに5万はまだ早いから」

言うなり、甥が手にしたばかりの封筒を抜き取って、自分のバッグの奥へしまってしまいました。楽しげだった話し声が、いっせいに途切れます。私はただ、目を疑うばかりでした。

祖母が返させた

母が、思わずといった様子で声をもらしました。

「あの子に、あげたお金なのに」

それでも甥の母親は、少しも動じません。

「大きなお金を持たせても、無駄遣いするだけでしょう」

そう言い切って、話を切り上げようとします。けれど母は引きませんでした。声を荒らげるでもなく、まっすぐに嫁を見て、静かに言い切ったのです。

「それは、私があの子に渡したお祝いよ。どうか、本人に返してあげて」

穏やかでいて、有無を言わせない響きがありました。祖母がなおも続けます。「使い方が心配なら、そばで教えてあげればいい。取り上げてしまったら、この子は学ぶ機会までなくしてしまうでしょう」と。その言葉に、甥の母親はしばらく黙り込みました。

やがて、観念したように小さく息をつくと、渋々バッグから封筒を取り出し、甥の手へと戻したのです。「……大事に使いなさい」と、ばつが悪そうにひとこと添えて。

それまでうつむいていた甥の顔が、ぱっと晴れていくのが分かりました。「ありがとう、おばあちゃん。お母さんも、ありがとう」とはにかむ声に、祖母もやさしくうなずきます。宙で行き場を失っていた祝いの気持ちが、ようやくきちんと甥のもとへ届いた瞬間でした。母に礼を言われた甥の母親も、決まりが悪そうにしながら、どこかほっとした表情を見せていたのが印象的です。

頭ごなしに責めるのではなく、相手の心配にも理を通しながら、それでも譲らない。祖母のたったひとことが、しらけかけた食卓の空気をまるごと変えてしまいました。あの日の母の凛とした横顔を、叔父である私は今も忘れられずにいます。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.13(Thu)

「傘立てには入れたくない」濡れた傘を店内の床に置いた客→客が置きたくない理由と店員の対応とは
tend Editorial Team

NEW 2026.08.13(Thu)

【埼玉・川越】岩盤浴込みで平日1,000円!天然温泉も1日楽しめる『小江戸温泉KASHIBA』がお得すぎる
tend Editorial Team

NEW 2026.08.13(Thu)

「おなかすいた。パン食べたい」レジでぐずる子供と困る母親。だが、店員の対応に救われた瞬間
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.12.02(Tue)

立花孝志被告、抗議男性負傷で逮捕致傷容疑にて書類送検。「公人の行動として許されない」とSNSで憤りの声
tend Editorial Team

2026.07.28(Tue)

「文句があるなら、あんたが出て行け」深夜に共用廊下で喧嘩しているカップル。だが、管理人の正論で状況が一変
tend Editorial Team

2026.01.31(Sat)

「小物界の大物」山本一太知事のがん公表に賛否!『不屈の精神』と称賛も『県政を私物化するな』と治療中の公務継続に批判の嵐
tend Editorial Team