「あと1400円で送料が無料になるんだよ」欲しい物がない私に買い物を頼んだ恋人。だが、私が伝えたお金の価値観とは
合計金額を見ながら声をかけてきた恋人
その晩は、恋人の部屋でのんびり過ごしていました。彼は床に座ってノートパソコンで買い物のページを開き、しばらく前から探していた物をかごに入れていました。私はその少し横で、洗い終えた洗濯物をたたんでいました。
「あ、これよさそう。これにしようかな」
彼はそう言って、そのまま注文画面へ進みました。買う物が決まると早い人です。
ところが、合計金額が表示されたところで手が止まりました。
「ねえ、なんか欲しい物ない?」
「え?急にどうしたの?」
「いや、何かないかなと思って」
私はタオルをたたみながら少し考えました。
「うーん、今は別にないかな」
すると彼は画面の合計金額を指で示しました。
「1400円くらいで何かない?」
「1400円?なんでそんなピンポイントなの?」
私が聞くと、彼は何でもないことのように答えました。
「だって、このままだと送料が無料にならないじゃん」
そこでようやく、1400円という数字の意味が分かりました。
「ちょっと待って。それって、私が自分のお金で何か買うってこと?」
「うん。欲しい物があるなら、ちょうどよくない?」
「いや、だから今は欲しい物ないって」
すると彼は少し困ったような顔をしました。
「でも、送料が無料にならないじゃん」
二度目も同じことを言われ、私は思わず手を止めました。
「…それ、私が1400円使って、あなたの送料を浮かせるってことだよね?」
「まあ……そうなるけど」
彼はそこで少し言葉に詰まりました。
欲しくない物を買うほうがもったいない
怒るほどのことではありませんでしたが、どうしてその計算になるのか、私には少し不思議でした。
「欲しい物があるなら買うよ。でも、送料を無料にするためだけに1400円使うほうが、私はもったいないと思う」
「でもさ、送料払うのって、なんか損した感じしない?」
「気持ちは分かるけど、いらない物に1400円払うよりはいいんじゃない?」
そう返すと、彼はもう一度画面の金額を見ました。
「……ああ、そう」
少し間を置いてから、苦笑い。
「じゃあ、普通に送料払うか」
彼はそう言って、自分が最初に選んだ物だけで注文を確定しました。
確認画面を見ながら、それでも少し惜しかったのか、小さくつぶやきました。
「送料って、払うとやっぱりちょっと悔しいな」
「それは分かるけどね」
私が笑うと、彼も「まあ、そうだよな」と笑ってパソコンを閉じました。
それ以来、送料を無料にするためだけに「何か買わない?」と頼まれることはなくなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














