「うちの嫁が正月に来ない理由、分かってる?」毎年の帰省を当然だと思っていた義父。だが、義兄が伝えた本音
今年も奥さんを連れずに来た義兄
結婚して2年目の正月、僕は妻の実家へ泊まりがけで年始のあいさつに行きました。
義兄も来ていましたが、奥さんの姿はありません。
妻によると、ここしばらく正月には顔を見せていないそうです。
昼前、台所では義母と妻が料理の準備をしていました。
「何か手伝いましょうか?」
僕が声をかけると、義母は笑って答えました。
「ありがとう。でも、もう少しで終わるから大丈夫よ」
居間に戻ると、義父が座卓に座ってテレビを見ていました。
やがて刺身や天ぷらが運ばれてきます。義父は料理が並ぶと、さっそく箸を取りました。
「ほら、冷めないうちに食べろ」
僕は台所のほうを見ました。義母と妻はまだ片付けや料理の準備をしています。
「お義母さんたちも一緒に食べませんか?」
「ああ、あいつらはあとで食べるから。先に食べてていいぞ」
「でも、せっかくのお正月ですし…」
「料理が冷めるだろ。遠慮するなって」
悪気があるようには見えませんでしたが、僕には少し気になる光景でした。
台所では、妻が立ったままおかずをつまんでいます。
僕も何となく食べ始める気になれず、しばらく箸を持ったまま待っていました。
義兄が明かした、奥さんが来なくなった理由
夜も、義母と妻は料理を運んだり片付けたりと忙しそうでした。
食事が進み、義父が義兄に話しかけました。
「そういえば、お前の嫁は今年も来なかったな。正月くらい顔を出せばいいのに」
義兄は箸を置き、少し間を空けてから答えました。
「親父、うちの嫁が正月に来ない理由、分かってる?」
「え?何かあるのか?」
「前に来たとき、ずっと台所で手伝いをしてただろ。結局、落ち着いてご飯も食べられなかったって言ってたんだよ」
義父は意外そうな顔をしました。
「でも、正月は何かと忙しいからなあ」
「それは分かるよ。でも、せっかく集まったのに、みんなと一緒に食事もできないんじゃ、来るのが負担になるだろ」
義父は黙って義兄の話を聞いていました。
義兄は続けました。
「嫁も、最初から来たくなかったわけじゃないんだよ。ただ、正月くらいはゆっくり過ごしたいって」
「……そうだったのか」
義父はそれだけ言うと、しばらく考え込むように箸を置きました。
僕も昼間の光景を思い出していました。義母や妻が忙しく動いている横で、僕たちは先に食事を始めていたのです。
翌朝、座卓には義母と妻の分のお雑煮も一緒に並んでいました。
義父は特に何も言いませんでしたが、全員が席につくまで箸をつけずに待っていました。
そして次の正月、義兄は奥さんを連れてきました。
その年は、家族みんなで同じ座卓を囲みました。
「こうしてみんなで食べると、やっぱりいいですね」
義兄の奥さんが笑うと、義父も小さくうなずきました。
家族で集まることを当たり前だと思わず、お互いが気持ちよく過ごせるようにする。
そんな小さな気遣いが、正月の食卓には大切なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














