「自分の親にお金を渡すのが、そんなに悪いことかよ」義両親への現金援助を黙って続けていた夫。だが、妻が伝えた気持ちとは
義父の旅行代を家計から出したい夫
共働きで3人の子どもを育てる我が家では、夫婦で家計を一緒に管理しています。月末には家計簿を見ながら、節約できるところがないか話し合うのが習慣でした。
9歳年上の夫は、私の両親が毎年連れていってくれる家族旅行を楽しみにしていました。飛行機代もホテル代も、ほとんど両親が出してくれます。
一方、夫の実家はとても倹約家で、夫は子どものころに家族旅行をした記憶がないと話していました。
ある晩、夕食の片づけを終えたころ、夫が話しかけてきました。
「年末、親父が旅行に行きたいんだって。たまには親孝行しないとな」
「いいんじゃない? どこに行くの?」
すると夫は、リゾートホテルの予約ページを見せてきました。
そこに表示されていた宿泊料金を見て、私は驚きました。なんと1泊10万円もするホテルだったのです。
「ここに泊まりたいんだって。家計から出してもいいよね?」
「えっ、家計から? 年末まであと1か月しかないし、急に10万円は厳しいよ」
子どもも3人いますし、簡単に出せる金額ではありません。
ところが夫は、不満そうにため息をつきました。
「じゃあ、親父の喜寿祝い用に貯めてるお金から出すよ」
「ちょっと待って。そんなお金、いつから貯めてたの?」
私は初めて聞く話に戸惑いました。
家計簿を前に黙り込んだ夫
詳しく聞いてみると、夫はこれまでも義父の還暦祝いや誕生日、お正月などに、家計から義両親へ現金を渡していたというのです。
そんなことは一度も聞いていませんでした。
「どうして相談してくれなかったの? 家計のお金なのに」
そう尋ねると、夫は少し声を強めました。
「自分の親にお金を渡すのが、そんなに悪いことかよ」
「悪いなんて言ってないよ。でも、夫婦のお金なんだから相談してほしかった」
「そっちの親だって、旅行代を出してくれてるだろ」
その言葉を聞いて、私はますます納得できなくなりました。
両親は毎年、私たち家族を旅行に連れていってくれています。それなのに夫は、両親へのお礼について、自分から話してくれたことがありませんでした。
私は家計簿を開き、夫の前に置きました。
「私の両親には、一度も渡したことないよね」
「……え?」
「毎年旅行に連れていってもらってるけど、家計からお礼の品を贈ったこともないよね」
夫は黙っていました。
「あなたの親だけが大事ってことじゃないでしょ? 親孝行するなら、どちらの親にもちゃんと気を配りたいよ」
夫は家計簿に目を落としたまま、何も言い返しませんでした。
「今回の旅行代は、あなたの貯金から出してほしい。これからは、どちらの親にお金を使うときも、二人で相談して決めよう」
少し間を置いて、夫が答えました。
「……分かった」
その後、夫は寝室の引き出しから、それまで私に隠していた通帳を持ってきました。義父の旅行代は、その通帳から支払うことになりました。
年末、私は初めて家計から両親へお礼の品を贈りました。
届いた日の夜、父から電話がかかってきました。
「こんなに気をつかわなくていいのに。でも、ありがとうな」
うれしそうな父の声を聞いて、私も温かい気持ちになりました。
そばにいた夫は何も言わず、少し肩をすぼめていました。
親を大切にしたいという気持ちは、私も同じです。だからこそ、これからはお互いの両親のことを、夫婦で相談しながら考えていきたいと思っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














