「焼き菓子なんて、家にあっても余るのよね」と手土産を居間の端に置く義母。夫の一言で、義母が言い直した瞬間
居間の端に置かれた手土産
夫婦で選んだ手土産を、義母は近所にもあると言います
お盆に夫の実家へ帰省することになり、数日前から義母への手土産を探していました。義母は焼き菓子が好きだと聞いていたので、夫と二人でいくつかのお店を見比べ、評判のよい店の詰め合わせを選びました。
季節限定の味も入っていて、家族で分けやすい箱です。喜んでもらえたらと思い、大切に抱えて義実家へ向かいました。
当日、きれいに包んでもらった箱を紙袋に入れ、玄関で義母に差し出しました。
「皆さんで召し上がってください。」
義母は袋の中をのぞくと、箱を持ち上げて軽く首をかしげました。
「あら、このお店なら近所にもあるわよ。」
それだけなら気にしませんでした。けれど義母の言葉は、そこで終わりませんでした。
義母は余ると言って、紙袋を居間の端に置きました
「わざわざ持ってこなくてもよかったのに。」
義母はそう言って、さらに続けます。
「焼き菓子なんて、家にあっても余るのよね。」
義母は紙袋を受け取ると、居間へ移り、部屋の端にひょいと置いてしまいました。私は笑顔を保とうとしましたが、夫と時間をかけて選んだ物を迷惑そうに扱われ、胸の奥がずしりと重くなりました。
義母に悪気はなかったのかもしれません。それでも、目の前で余ると言われれば、歓迎されていないように感じてしまいます。何も言い返せず、私は紙袋が置かれた居間の端を、ただ見つめていました。夫は黙ったまま、その様子を隣で見ていました。
夫が告げた静かな一言
隣にいた夫が、義母に静かに言葉を返しました
そのとき、隣に立っていた夫が口を開きました。
「母さん、それは俺も一緒に選んだんだ。」
義母が夫のほうを向きます。夫は声を荒らげず、落ち着いた調子で続けました。
「近所で買えるかどうかじゃなくて、二人で何がいいか考えて持ってきたんだよ。」
「いらないなら持って帰るよ。」
夫はまっすぐ義母を見たまま、静かに言い切りました。
「そんな言い方は、しないでほしい。」
食後、義母は箱を開けて配り、私に声をかけました
部屋の空気が、一瞬しんと静まりました。義母は何か言いかけましたが、夫の真剣な表情を見て口を閉じました。
「……別に、いらないって意味じゃないのよ。」
そう言うと、居間の端に置いた紙袋を自分のそばへ引き寄せました。すぐに謝る言葉はなく、話題は変わって夕食が始まりました。
ところが食後、義母は例の箱を開け、お茶と一緒に家族へ配り始めました。
「季節限定の味も入っているのね。」
そして私の前にお菓子を置きながら、小さな声で言いました。
「さっきは、言い方がよくなかったわね。」
私は「いえ」とだけ答えました。気まずさが消えたわけではありませんが、夫がその場で二人の気持ちを言葉にしてくれたので、黙って傷ついたまま帰らずに済みました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














