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2026.11.06(Fri)

「せっかくだけど、料理はもう用意してあるのよ」初めての正月で伯母に断られた煮しめ。だが、伯父が食べて気づいたこと

「せっかくだけど、料理はもう用意してあるのよ」初めての正月で伯母に断られた煮しめ。だが、伯父が食べて気づいたこと

義母と一緒に作った正月の煮しめ

結婚して初めての正月、私は夫の実家に泊まっていました。

翌日は本家に親戚が集まる予定で、その前の晩、義母が台所で声をかけてくれました。

「明日はこの煮しめを持っていこうと思うの。よかったら一緒に作らない?」

「いいんですか?私、作ったことがなくて…」

「大丈夫よ。私もお義母さんに教わったんだから」

義母はそう言って、昆布の結び方や野菜の切り方、味のふくませ方まで丁寧に教えてくれました。

一緒に作った煮しめを重箱に詰めながら、私も少しだけ夫の家族の一員になれたような気がしました。

翌日の昼、本家の座敷には15人ほどの親戚が集まっていました。

私も料理を並べる手伝いをしようと、重箱を持って座卓のそばへ向かいました。

すると、夫の伯母が声をかけてきました。

本家の伯父の妻で、毎年、正月の料理を取り仕切っているそうです。

「あら、何か持ってきたの?」

「はい。お義母さんに教わって、煮しめを作ったんです。よかったら皆さんで…」

ところが、伯母は重箱に目を向けると、少し困ったような顔をしました。

「せっかくだけど、料理はもう用意してあるのよ」

「そうなんですね。でも、少しだけでも…」

そう言って重箱を差し出すと、伯母はやんわりと押し戻しました。

「悪いけど、分家のお嫁さんが作った料理は、本家の席には出せないのよ」

まさかそんなことを言われるとは思わず、返す言葉が見つかりませんでした。

周りにいた親戚も、気まずそうに顔を見合わせています。

義母と一緒に作ったものなのに、そんなふうに言われるとは…。

私は重箱を抱えたまま、どうすればいいのか分からなくなってしまいました。

伯母はそれ以上何も言わず、上座に座る伯父の隣へ戻っていきました。

一口食べた伯父が口にした言葉

そのとき、上座から声がしました。

「おや、それは煮しめかい?」

声をかけてきたのは、本家の伯父でした。

「はい。義母に教わって作りました」

「そうか。じゃあ、ひとつもらってもいいかな」

隣にいた伯母が「あなた、料理はもう十分あるでしょう」と言いましたが、伯父は「ひとつくらいいいだろう」と笑いました。

私は重箱を上座まで運び、蓋を開けました。

伯父はにんじんをひとつ口に運び、ゆっくりとかみしめました。

すると、ふと箸を止めたのです。

「この煮しめ、母さんの味だな」

少し離れた席にいた義母が答えました。

「そうなんです。お義母さんに教わった作り方を、そのままこの子に教えたんですよ」

「ああ、やっぱりそうか。懐かしいなあ」

伯父はもう一口食べると、隣の伯母に顔を向けました。

「本家だ分家だって、そんなに堅く考えなくてもいいだろう。母さんの味をこうして作ってくれたんだから」

伯母は少し驚いたようでしたが、何も言い返さず、取り皿に目を落としました。

すると、近くにいた親戚が声をかけてくれました。

「私も少しいただいていい?」

「はい、もちろんです」

「ああ、本当だ。懐かしい味ね」

それをきっかけに、ほかの親戚たちも煮しめを取り分け始めました。

伯母は黙ったままでしたが、もう重箱を下げるようには言いませんでした。

気がつくと、持ってきた煮しめはきれいになくなっていました。

最初は出すことさえ断られて、正直、悲しい気持ちになりました。

それでも、義母が教えてくれた味を親戚の皆さんに喜んでもらえたことが、何よりうれしかったです。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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