「まだスプーン、ちゃんと使えないの?」1歳半健診でわが子と比べてきたママ友。だが、保健師さんの言葉に救われた瞬間
何かと子どもの成長を比べてくるママ友
初めての子育てに追われていたころ、子育て広場で知り合ったママ友がいました。子ども同士の月齢が近く、最初は話の合う人だと思っていました。
ところが、何度か会ううちに、少し気になることが出てきました。
ママ友は自分の子ができるようになったことを話すたびに、私の子はどうなのかと聞いてくるのです。
「うちの子、もうお片づけもできるんだよ。そっちは?」
「うちはまだかな。少しずつ教えてるところ」
「そうなんだ。うちは教えたらすぐ覚えたよ」
そんな会話が何度も続きました。
もちろん、子どもの成長がうれしい気持ちは分かります。ただ、毎回比べられると、私も「うちの子は遅いのかな」と気になってしまいます。
それでも、気まずくなるのが嫌で、いつも笑って受け流していました。
そんなある日、1歳半の健診で保健センターを訪れました。
昼の待合室で子どもをひざにのせて待っていると、偶然そのママ友と顔を合わせたのです。
ママ友は自分の子を抱いたまま、私の隣に座りました。
近くでは、何人かの子どもたちが積み木で遊んでいました。
「あ、積み木だ。うちの子、けっこう高く積めるようになったんだよ」
「そうなんだ。すごいね」
そう返すと、ママ友は私の子に目を向けました。
「そういえば、ごはんはもう一人で食べてる?」
「まだ手伝ってるよ。スプーンも練習中で」
「えっ、まだスプーン、ちゃんと使えないの?うちはもう一人で食べてるよ」
少し大きな声だったので、向かいの席にいたママもこちらを見ました。
私は何と返せばいいか分からず、「そうなんだね」とだけ答えました。
保健師さんがかけてくれた言葉
そのとき、近くで子どもたちの様子を見ていた保健師さんが、私たちのそばに来ました。
子どもたちの前にしゃがみ、積み木を一つ手に取って笑いかけたあと、私たちに声をかけました。
「スプーンのお話ですか?」
「あ、はい。うちの子、まだうまく使えなくて……」
私が答えると、保健師さんは穏やかに言いました。
「そうなんですね。できるようになる時期は、一人ひとり違いますからね」
すると、ママ友が自分の子を抱き直しながら尋ねました。
「でも、早くできたほうが安心じゃないですか?」
「できることが増えるとうれしいですよね。ただ、ほかのお子さんと比べすぎなくても大丈夫ですよ」
保健師さんは続けました。
「気になることがあれば、今日の健診で相談してくださいね」
その言葉に、向かいの席のママも小さくうなずいていました。
ママ友は「そうなんですね……」と短く答え、視線を落としました。それ以上、子どもの成長を比べるような話はしませんでした。
私は保健師さんの言葉を聞いて、少し気持ちが楽になりました。今まで、ママ友の話を聞くたびに、必要以上に焦っていたのかもしれません。
健診のあと、私は少しずつそのママ友と距離を置くようになりました。今は、気をつかわずに子育ての話ができるママたちとの付き合いを大切にしています。
わが子は今日も、小さなスプーンを握って食べる練習をしています。うまくいかない日もありますが、ほかの子と比べず、少しずつできるようになる姿を見守っていきたいと思っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














