「お願いだから、話を最後まで聞いて」金銭関係で妻を責めた夫。半年後、夫と立場が逆転したワケ
話を最後まで聞かない夫
夫には昔から、人の話を途中で決めつける癖があった。
しかも一度機嫌を損ねると、こちらの声はまるで届かなくなる。
何を言っても、耳に厚い壁が立つのだ。
その性質をまざまざと思い知ったのが、私の脱毛サロンが倒産したときだった。
数年通った店が前触れもなくたたまれ、前払いした料金は返ってこない。
独身時代に、私が自分で働いて払ったお金だ。
夫に打ち明けると、彼はなぜか眉間にしわを寄せ、そのまま黙り込んでしまった。
ただ聞いてほしかっただけなのに、部屋の空気が急に重くなったのが分かった。
「どうしたの、何か言ってよ」
問いかけても返事はない。不機嫌な沈黙だけが、三十分も部屋に居座った。
思い込みで妻を責める
ようやく口を開いたと思えば、出てきたのは的外れな怒りだった。
夫は「私が新しい店と契約し直して、またお金を払った」と信じ込んでいたのだ。
「金の無駄だろ、なんで気づかないんだよ」
契約なんてしていない、払ったのはあなたと同棲する前だと説明しても、怒りで耳をふさいだ夫には届かない。
それどころか、独身時代のサロン代まで自分が出したことになっていた。
「お願いだから、話を最後まで聞いて」
私はとうとう泣きながら叫んだ。彼がしぶしぶ事実を理解して謝るまで、ずいぶん時間がかかった。
そのときの私は、この一件がまさか半年後に効いてくるとは思ってもいなかった。
半年後、立場が逆転した
その日、夫が青い顔で帰ってきた。毎月払っていた会員制サービスの会社が、突然飛んだのだという。
前払い分は一円も戻らないらしい。仕事帰りに知らせを受けたのか、鞄を床に叩きつけるほどの荒れようだった。
「俺の金が消えた!意味わかんない!」
玄関でわめく夫に、私は静かに尋ねた。
「倒産、予想できた?」
夫の動きが止まった。反論しようと口を開き、けれど半年前に自分が吐いた言葉を思い出したのだろう。
顔からすっと血の気が引き、握りしめた拳がほどけていく。
「…悪かった。あのとき、俺は全然話を聞いてなかった」
「やっと分かってくれたね」
うつむいた夫は、初めて本気で頭を下げた。それからというもの、彼は私の話をさえぎらず、最後まで聞くようになった。
人の話に耳を貸さない代償は、いつか自分に返ってくる。あのとき私が泣きながら訴えた言葉の意味を、彼はようやく身をもって理解したらしい。それを夫が学ぶのに、半年という時間が必要だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














