「連絡先、教えてよ」退職した女性の連絡先を探す元同僚。別の課にまで聞いていた理由とは
辞めて三か月後、前の職場の話を聞いた
転職して三か月ほどたった頃、前の職場で仲の良かった同僚とお茶をしました。
異動した人や新しく入った人の話をしていると、同僚がふと思い出したように言いました。
「あの人、まだあなたのこと聞いてくるよ」
名前を聞いて、すぐに顔が浮かびました。
以前、近くの席にいた年上の人です。歳はひとまわり以上離れていて、個人的に話をするような関係ではありませんでした。
ただ、なぜか私の連絡先を何度も聞かれていました。
「連絡先、教えてよ」
そのたびに断っていましたが、しばらくするとまた同じことを聞かれます。
帰る時間が重なると、「一緒に帰ろうよ」と声をかけられることもありました。
私は少しずつ退勤時間をずらし、なるべく顔を合わせないようにしていました。それが半年ほど続いたあと、私は職場を辞めました。
退職するときも、その人とは廊下ですれ違った際に会釈をした程度です。もう関わることはないと思っていました。
私がいなくなったあとも、連絡先を聞いていた
ところが同僚によると、私が辞めたあとも、その人は連絡先を探していたそうです。
「私も三回聞かれたよ。『連絡先、知らない?』って」
同僚はそのたびに「知らない」と答えていました。それでも今度は、「じゃあ誰なら知ってるかな」と聞かれたといいます。
そこまで聞いて、私は言葉に詰まりました。
仕事の相談を受けた覚えもなく、職場の外で会ったこともありません。なぜ退職したあとまで連絡先が必要なのか、私には分かりませんでした。
同僚によれば、その人は「前に借りたものを返したい」といった理由を口にすることもあったそうです。
けれど、私は何かを貸した覚えがありませんでした。ペンや書類などを一時的に渡した記憶もありません。
しかも、同じようなことを別の課の人にも聞いていると知り、さらに落ち着かない気持ちになりました。
「みんな不思議がってるよ」
同僚も、私とその人が親しい関係ではなかったことを知っています。だからこそ、何度も連絡先を聞かれることに違和感を持っていたようでした。
「誰にも教えないから」と言ってくれた
店を出て、同僚と駅まで歩きました。
退職してからは別の場所で働いているのに、人の足音が後ろから近づくと、つい振り返ってしまいました。
改札の手前で、同僚が言いました。
「もしまた聞かれても、誰にも言わないから」
「お願いします」
本当は何のために連絡先を探していたのか、今も分かりません。
ただ、私がいなくなったあとまで何人もの人に聞いていたという事実を知り、以前感じていた違和感は気のせいではなかったのだと思いました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














