「えっ、まだ覚えてたの?」貸した3万円を半年返さなかった義弟。だが、親戚の前で妻が口にした一言
笑ってごまかされた3万円の約束
結婚して間もないころ、妻の実家に遊びに行った日のことです。
台所で片づけを手伝っていると、妻の弟が近づいてきて、小声で話しかけてきました。
「今月ちょっと厳しくてさ。3万円、貸してもらえないかな。来月の給料日には必ず返すから」
突然の頼みに戸惑いましたが、結婚したばかりで、新しい家族との関係をぎくしゃくさせたくありません。私は迷った末に3万円を貸しました。
ところが、約束の給料日を過ぎても返済の話は出ません。
妻の実家で顔を合わせても、義弟は私と目が合うと、すぐ別の話を始めます。
こちらから催促するのも気が重く、そのまま時間だけが過ぎていきました。
半年ほどたったある夜、義弟と居酒屋で飲む機会がありました。
向かいの席で楽しそうに話す義弟を見ながら、私は思い切って尋ねました。
「そういえば、前に貸した3万円なんだけど。いつごろ返せそう?」
「えっ、まだ覚えてたの?」
義弟は驚いた顔をしたあと、笑いながら手を振りました。
「義兄さんは稼いでるんだしさ。3万くらいでそんな顔しないでよ」
あまりに軽い返事に、私は言葉を失いました。
返してほしいと言っただけなのに、まるでこちらが細かいことを気にしているかのような言い方です。
それ以上は何も言えず、気まずいまま帰宅しました。
元気のない私を見て、妻が理由を尋ねてきました。事情を話すと、妻は眉をひそめましたが、その場では何も言いませんでした。
親戚の前で妻が口にした一言
しばらくして、妻の実家に親戚が集まる日がありました。昼の居間で座卓を囲み、妻は義弟の隣に、私は向かい側の義父母の横に座っていました。
食事が進むと、義弟が新しく始めた趣味の道具を買ったと話し始めました。
「やっと買えたんだよ。けっこうしたんだけどさ」
「へえ、いいものを買ったね」
親戚にそう言われ、義弟はますますうれしそうに値段の高さを語り始めました。
私は以前のやり取りを思い出しましたが、せっかくの集まりでお金の話を持ち出す気にはなれませんでした。
すると、隣に座っていた妻が義弟のほうを向き、笑顔で言ったのです。
「じゃあ、うちの人に借りた3万はもう返せるね」
その瞬間、義弟の笑顔が消えました。
義父母も驚いた顔で義弟を見ます。
「えっ、お金借りてたの?本当なの?」
義母が尋ねても、義弟はすぐには答えません。
すると、義父が湯のみを置いて言いました。
「おい、人に借りた金も返さないで、何を買ってるんだ」
義弟は顔を赤くしてうつむきました。しばらく黙っていましたが、やがて財布を取り出し、お札を数え始めました。
親戚たちが見守るなか、義弟は座卓越しに3万円を差し出しました。
「……すみませんでした」
私は少し戸惑いながらも、お金を受け取りました。
そのとき、妻が私のほうを見て、そっと片目をつぶってみせたのです。
半年もの間、言い出せずにいた返済の話。妻が覚えていてくれたことが、何よりうれしく感じられました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














