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2026.07.10(Fri)

「これ高そうだから、私が貰っておくわね」義父の形見を奪った義姉。だが、夫の一言で決別

「これ高そうだから、私が貰っておくわね」義父の形見を奪った義姉。だが、夫の一言で決別

「あんたにはこれ」義姉が差し出した古い文房具

義父の一周忌に集まった、親族の輪の中でのことでした。

夫の姉が、にこやかに私の前へ何かを差し出してきました。

「あんたにはこれ」

手のひらに乗せられたのは、インクの掠れた古い万年筆と、色あせた便箋。義父の遺品の、文房具でした。

どちらも長年使い込まれた、けれど値の付かない品でした。

戸惑う私に構わず、義姉は反対の手に握ったものを、これ見よがしに掲げます。

義父が愛用していた、あの形見の腕時計でした。

義父が毎朝、日課のように丁寧に巻いていた、あの時計です。

「これ高そうだから、私が貰っておくわね」

そもそもその時計は、義父が生前こう言ってくれていたものでした。

「これはお前に遺すからな」

嫁いできた私を、実の娘のように気にかけてくれた義父。その気持ちごと、横から奪われた気がしました。

けれど、その場の空気は誰も口を挟めない雰囲気で、義父の兄弟たちも目を合わせようとしません。

親族の集まる場で角を立てるのが怖くて、私はただ黙って万年筆を受け取りました。

夫の一言で時計は戻り、義姉とは決別した

もやもやを抱えたまま家に帰り、その夜、思いきって夫に打ち明けました。

「お義父さんの時計、お義姉さんが持って行っちゃったの」

穏やかな夫の表情が、すっと引き締まりました。

普段は物腰の柔らかい人が、こんな顔をするのは珍しいことでした。

「それは違う。親父はお前にって、はっきり言ってた。取り返す」

翌日、夫は姉へ静かに、しかし一歩も引かずに義父の遺志を伝えてくれました。

声を荒げることはありません。ただ、事実を淡々と、けれど強い意志で。

「勝手に決めるな。あれはお前のものじゃない」

姉はしばらく黙り込みました。

「……分かった、返すわよ」

やがて渋々、そう言ってくれました。

数日後、形見の腕時計は無事に私の手元へ戻ってきました。

ずしりと重いその時計を握ると、義父の手のぬくもりまで戻ってきたようでした。

「本当にありがとう」私は思わず夫にそう言って、時計をそっと胸に抱きました。

この一件で、私は義姉という人がよく分かりました。

それ以来、彼女とは必要最低限の連絡だけの、静かな関係になりました。

年に一度会うか会わないか。それでも、心はずっと軽くなりました。

無理に仲良くする必要はない。そう思えたことが、私にとっては何よりの救いでした。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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