「客をバカにしてるのかって聞いてるんだよ」お釣りの渡し方で怒る男性客。だが、目撃していた客が伝えた一言
固まってしまった店員さんの手
休みの日の夕方、買い物を終えてレジの列に並んでいました。
会計中だったのは、50代くらいの男性客です。そのすぐ後ろに年配の男性客が並び、私はさらにその後ろで順番を待っていました。
レジを担当していたのは、高校生くらいに見える若い店員さんでした。店員さんがお釣りを差し出した直後、男性客が急に声を上げました。
「ちょっと待てよ。今の渡し方、なんなんだよ」
店員さんは驚いたように顔を上げました。
「え…申し訳ありません」
「投げるみたいに渡しただろ。客をバカにしてるのか」
「そんなつもりはありません。すみません」
店員さんは頭を下げましたが、男性は納得しません。
「客をバカにしてるのかって聞いてるんだよ」
声が売場に響き、周囲の客も振り返りました。店員さんはレシートを手にしたまま、どう答えればいいのか分からない様子でした。
そこへ、別の店員さんに呼ばれた店長がやってきました。
「お客様、どうされましたか」
「この店員だよ。釣りを投げるみたいに渡してきたんだ」
男性は店員さんを見ながら、また声を強めました。
「客をバカにしてるのか。さっきから聞いてるんだよ」
すぐ後ろで見ていた客が伝えたこと
店長は店員さんの様子を確認してから、男性に向き直りました。
「分かりました。まず、どういう状況だったのか確認させてください」
すると、それまで黙っていた年配の男性客が口を開きました。
「すみません。私、すぐ後ろで見てましたけど……普通に渡していたように見えましたよ」
男性客が振り返りました。
年配の客は少し困ったような顔をしながら続けます。
「少なくとも、投げたようには見えませんでした。ちゃんと手渡していましたよ」
男性は一瞬黙ったあと、「でも、俺にはそう見えたんだよ」と言いました。
店長は静かにうなずきました。
「そう感じられたことは分かりました。ただ、店員もかなり驚いていますので、大きな声で責め続けるのはお控えいただけますか」
男性は周囲を見回し、しばらく黙っていました。
「……もういいよ」
そう言って袋を持つと、そのまま店を出ていきました。
店長が店員さんに「少し休む?」と声をかけると、店員さんは小さく首を振りました。
「大丈夫です。ちょっとびっくりしただけなので……」
年配の客は自分のかごをレジ台に置きながら、「ちゃんと見てましたから」と穏やかに声をかけました。
店員さんは少し表情を緩め、「ありがとうございます」と頭を下げました。
男性を強く責めるでもなく、店員さんを大げさにかばうでもなく、年配の客が伝えたのは自分がその場で見たことだけでした。その短い言葉のおかげで、張りつめていたレジ前の空気も少しずつ元に戻っていきました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














