tend Editorial Team

2026.05.24(Sun)

「嫁がいてくれると楽ね」と当たり前のように言う義母。だが、初めて義実家に行くのをサボった結果

「嫁がいてくれると楽ね」と当たり前のように言う義母。だが、初めて義実家に行くのをサボった結果

何年も黙って台所に立ってきた

夫の実家では法事のたびに、接待の段取りをするのが私の仕事だった。

お茶を入れ、料理を運び、食器を洗い、親戚が帰るまで台所を離れられない。

姑は客間にいて、挨拶を受けている側だった。

「嫁がいてくれると楽ね」という言葉は何度も聞いた。

感謝のようでいて、そうあり続けることを求める言葉でもあった。

何年もそれに応じてきた。声に出して断ったことは一度もない。

でも正直なところ、台所に立つたびに疲れが積もっていた。親戚の笑い声が聞こえるたびに、私だけが場の外にいるような感覚があった。

誰かに交代してほしいとか、姑に感謝されたいとか、そういう気持ちよりも、ただ純粋に休みたいという気持ちが大きくなっていた。

夫に相談したことも一度だけあったが、「お袋もああいう人だから」と言われておしまいだった。

それ以来、言っても変わらないと思うようになった。法事の前になると、また台所に立つ自分の姿が思い浮かんで、気が重くなった。

そんなとき、法事の案内が届いた。

日付を確認すると、ずっと行きたかった好きな歌手のコンサートと重なっていた。チケットはすでに購入していた。

断った日に、姑が見せた素顔

「体の具合が悪くて、今日は行けません」

当日の朝、姑へ電話をかけた。

姑は「そうですか」と答えた。

夫だけが実家へ向かった。

私は会場へ行き、好きな歌手の歌声を久しぶりにたっぷりと聴いた。照明が落ちた瞬間から、何かが肩から下りていくような感じがした。

終演後も、帰り道の空気がいつもより軽かった。

夜に帰宅した夫が言った。

「お袋がバタバタしてたよ。お茶の出し方も分からないって言って、俺に聞いてきた」

いつも台所に立たない姑が、私なしでは段取りをまったく組めなかった。

お茶の出し方も湯呑の数も把握していなかったらしい。客間で挨拶を受けていた人が、台所に回された途端に動けなくなった。毎回当たり前のようにこなしてきたことが、実は誰も把握していなかったのだとわかった瞬間だった。

怒りとも違う、すっきりとした気持ちが広がった。自分の時間を取り戻した満足と、長年の重荷が少し下りた感覚が混ざり合っていた。歌手の余韻と夫の話が、同じ夜の中で静かに重なった。

次の法事の案内が来たとき、私はまた自分のスケジュールをきちんと確認しようと思っている。あの一日が、私の中で小さな分岐点になった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.10(Sat)

「私ならちょっと無理かも」私が出産した産院を口コミで否定するママ友。最後に本人が選んだ場所に唖然
tend Editorial Team

NEW 2026.10.10(Sat)

「ニットはすぐ縮むんだから」母の忠告を聞かずに洗濯した私。翌週、職場でおしゃれな先輩が真剣に尋ねてきた理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.10(Sat)

「仕事があるから、景品の30袋はお願いね」2回続けて係を押しつけたママ友が、6人の保護者の集まりで黙った理由
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.08.11(Tue)

「今年もあなたがやればいいんじゃない?」私ばかり役員に推すママ友。だが、先生の一言が止めた瞬間
tend Editorial Team

2026.04.20(Mon)

「え、なんで服にこんなものが?」夜のドライブデート後、私の上着に付いていた謎の物体。暴かれた彼の最低すぎる裏の顔
tend Editorial Team

2026.05.27(Wed)

亀井亜紀子氏の立憲民主党への復党が承認、選挙の看板掛け替えを巡り有権者から疑問の声が続出する事態に
tend Editorial Team