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2026.07.08(Wed)

「植木鉢?何のこと」とぼけて車庫を物置化した義祖母。だが、妻の本音で状況が一変

「植木鉢?何のこと」とぼけて車庫を物置化した義祖母。だが、妻の本音で状況が一変

増え続ける他人の荷物

近くに住む大姑は、片付けが苦手な人だった。

使わない物を捨てられず、家からあふれた荷物の行き先が、私たちが家賃を払って借りている車庫だったのだ。

最初は、小ぶりの植木鉢が一つ置かれているだけだった。

「邪魔なら言ってね」と大姑が言うので、私も「大丈夫ですよ」と受け流していた。今思えば、そこが始まりだった。

丸めた障子紙、空の段ボール、土の乾いた植木鉢。

断りもなく運び込まれる荷物は、月を追うごとに数を増していく。

半年も経つ頃には、車を停めるのもひと苦労になっていた。

「一つくらい、いいでしょう」

やんわり困り顔を見せても、大姑はそう言って取り合わない。

夫の祖母にあたる人に、これ以上角を立てたくない。

私はまた、言葉を飲み込んでしまうのだった。

先月の週末には、買い物から戻ると車庫の前に古いカラーボックスまで積まれていた。

車を出すのに、いちいち荷物をどかさなければならない。それでも私は「あとで片付けますね」と、つい笑顔を作ってしまう。そんな自分が、少し情けなかった。

とぼけた一言で目が覚めた

限界を感じたのは、ひときわ大きな植木鉢が車庫の中央に据えられた日だった。ひび割れて、もう使い道もなさそうな代物である。これでは車のドアも満足に開かない。

私は意を決して声をかけた。

「この植木鉢、どうされますか」

すると大姑は、心底不思議そうな顔でこう返した。

「植木鉢?何のこと」

自分で運んだものを、覚えていないふりをする。

その一言で、私の中に残っていた遠慮が、音を立てて消えた。ここで折れたら、来月にはまた別の荷物が届くだろう。

「ここは、私たちが暮らすための場所です」

努めて穏やかに、けれど一歩も引かずに、私は続けた。

「持ち帰ってください」

大姑は「あら」と言ったきり、言葉を失った。

いつものとぼけた笑みも、今日は浮かんでこない。しばらく黙って車庫を見回すと、「……置きすぎたわね」と、決まり悪そうに視線を落とした。

翌週には、積み上がっていた荷物が跡形もなく消えていた。大姑が一人で、少しずつ自宅へ戻したのだ。運び出す背中は、少しばかりばつが悪そうに見えた。

「ごめんなさいね、つい甘えてしまって」

後日、道で会った大姑は、そう言って小さく頭を下げた。あの強気なとぼけ顔は、もうどこにもなかった。

それからの大姑は、車庫の前を通るとき、そっと目を伏せるようになった。私たちの暮らしの場所に、他人の荷物が積み上がることは、もうない。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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