「なんであの人私服なの?」結婚式で私服で来た女性。だが、花嫁の対応で空気が一変
華やぐ結婚式
その日、私は友人の結婚式に出席していました。
彼女とは長い付き合いで、花嫁姿を見るのを、朝からずっと楽しみにしていたのです。
式が滞りなく進み、披露宴もなごやかに始まりました。
招かれた誰もが正装に身を包み、会場は華やかな熱気に包まれていました。
慣れないヒールに少し疲れながらも、私は祝いの席のきらびやかさに見とれていました。
そんな中、開宴からしばらく経っても、姿の見えない席がひとつあったのです。
1時間遅れの登場
その席の主が現れたのは、開宴から1時間ほども過ぎた頃でした。会場の扉が開き、みんなの視線がいっせいにそちらへ向いたのです。
入ってきたのは、花嫁の友人。それも、休日にふらりと出かけるような、飾り気のない私服姿でした。
「なんであの人私服なの?」
近くの参列者が、思わずといった調子でささやきました。
フォーマルな装いの中では、その軽やかな格好がどうしても浮いて見えます。
本人も慌てた様子で、小さくなりながら空いた席へ滑り込みました。
見ているこちらまで、思わず息をのんでしまったほどです。
周りのテーブルからも、控えめなざわめきが伝わってきます。おめでたい空気に、ほんの少しだけ気まずさが混じり込んだ、そんな瞬間でした。早く誰かが場を和ませてくれないかと、私は落ち着かない気持ちで壇上を見つめていました。
花嫁の笑顔が包んだ
気まずい空気になりかけた、そのときでした。壇上の花嫁が、その友人に気づいて、満面の笑みを浮かべたのです。
「来てくれてありがとう。あなたらしくて最高」
まるで待ちかねていたかのような、うれしそうな声でした。
遅刻も服装も、花嫁にとってはまるで問題ではなかったのです。
その一言で、ざわついていた会場が、あたたかな拍手に変わりました。
張りつめかけていた空気が、花嫁の笑顔ひとつであっさりとほどけたのです。遅れてきた本人も、ようやく肩の力を抜いて、照れくさそうに笑っていました。
取り繕わない友人を、そのまま丸ごと受け入れる。そんな花嫁の懐の深さに触れて、ハラハラしていた私の胸も、じんわりと温かくなりました。人柄というのは、こういう場でこそにじみ出るのだと思います。いい式に呼んでもらえたと、心から思えた一日でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














