「今は苦しい、催促するなよ」逆ギレした弟に何年も粘り強く催促し続け、50万を全額返させた朝
尖っていった弟の声
年末のある夜、私は弟に電話をかけ、残りの返済のことを切り出した。受話器の向こうの声が、みるみる尖っていくのが分かった。
「今は苦しい、催促するなよ」
責めたつもりはなかった。ただ、見通しを聞きたかっただけだ。それなのに、いつの間にか私が悪者にされていた。
弟にお金を貸したのは、その半年前のこと。「3ヶ月で返すから、50万貸して」と、会社の付き合いでどうしても必要なのだと頼まれた。
血のつながった弟の頼みを、私は無下にできなかった。決して余裕はなかったが、貯金から五十万円を用立てた。
返済は最初こそ順調だったのに、半年後に戻ったのは半分だけ。残りの二十五万円は、いつまで待っても動かなかった。
記録を手に、粘り続けた
あの夜から、私は引くのをやめた。感情でぶつかっても平行線だと、分かっていたからだ。
「貸した日も、振り込んだ金額も、ぜんぶ記録に残ってる。残り二十五万、返す日を決めよう」
スマホの振込明細を突きつけると、弟は言葉に詰まった。もう「苦しい」の一点張りでは、逃げ切れなくなっていた。
それでも一度で片づくはずもなく、私は期日が来るたびに連絡し、いくら返ったかを一件ずつ確認し続けた。声を荒らげず、感情的にもならず、ただ数字と日付だけで淡々と。
面倒がって連絡を無視されても、私は月に一度、必ず残額を伝えた。曖昧にすればうやむやにされると分かっていたから、引くわけにはいかなかった。
一年、そしてもう一年。粘り強く催促を重ねるうちに、渋っていた弟の振込も、少しずつまた戻ってくるようになった。
そして丸2年が過ぎたある朝、最後の振込を確認した。五十万円は、一円残らず私の口座に戻っていた。
「これで貸し借りはゼロ。よく返してくれたね」。そう伝えると、弟は決まり悪そうに、それでも小さくうなずいた。
家族だからと曖昧にしていたら、あのお金はきっと戻らなかった。泣き寝入りせず筋を通したからこそ、けじめがついたのだと思う。
今、夫とは決めていることがある。「貸すなら記録を残して、返してもらうまできちんと言う」。二度と、なあなあにはしないと。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














