「彼女とかいるわけないじゃん〜」付き合ってるのにマッチングアプリを継続していた彼。だが、待ち合わせ場所に現れたのは
相談を受けた夜
親友から連絡が来たのは、ある夜のことだった。
会って話したいことがあると。
落ち合うなり、彼女はスマホの画像を差し出してきた。
「彼、これやってたの」
画面には、恋人がマッチングアプリで複数の女性とやり取りしている履歴が並んでいた。
優しいと評判だった彼の、別の顔がそこにあった。
「別れるのは決めてる。でも、このまま黙って引くのは悔しくて」
「気持ち、わかるよ。あんなに大事にしてたのにね」
うつむく親友を見て、私はじっとしていられなくなった。
泣き寝入りで終わらせたくない。彼女のために、ひと肌脱ぐことにしたのだ。
「私に任せて。その男、こっちから釣り出してやる」
別人になりすまして
私は架空の女性を装い、新しく作ったアカウントから彼にメッセージを送った。
返信はすぐ来た。やり取りはあっさり盛り上がり、彼はすっかり乗り気の様子だった。
恋人がいるとは到底思えない、軽い口ぶりだった。
「彼女さんとか、いらっしゃらないんですか?」
確かめるように送ると、彼は迷う様子もなく打ち返してきた。
「彼女とかいるわけないじゃん〜」
横でその文字を見た親友が、ぽつりとつぶやいた。
「ほんとに最低だね、この人」
こうなれば、もう遠慮はいらない。
私はやり取りを進めて、会う約束を取りつけた。指定したのは、人通りの多いカフェの前。
彼が待つその場所へ向かうのは、私ではなく、親友だった。
正体を明かした瞬間
当日、彼はそわそわと女性を待っていた。少し離れたところで、私も成り行きを見守っていた。
やってきた人影に気づいて、彼の表情がぱっと明るくなる。だがその顔は、近づいてきた相手が誰かを認識した途端、笑顔のまま凍りついた。
「私が来るとは思わなかった?」
親友がそう声をかけると、彼は一歩あとずさった。
「いや、待って、これは違くて……」
「彼女、いるわけないんでしょ?さっき、アプリでそう言ってたよね」
言い逃れの言葉を探していた彼は、その一言で完全に口をつぐんだ。
視線はうろうろと地面に落ち、額には汗がにじんでいる。さっきまでの余裕は、跡形もなく消えていた。近くを通る人が、何事かと足を止めて振り返るほどだった。
「もう連絡しないでね」
親友はきっぱりとそう言い切り、未練の欠片もない様子で踵を返した。私もそっと合流して、並んで歩き出す。すると、彼女は張り詰めていたものをほどくように、深く息を吐いた。
「ありがとう。おかげで言いたいこと言えた」
背後の彼は、絶句したまま動けずにいた。仕掛けた罠は、見事に決まったのだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














