夫「最近、家にいない理由はこれか」→妻「違う、ただの同僚だってば!」職場まで迎えに来た夫。本音をぶつけあった結果
駐車場に停まっていた夫の車
その日、パートを終えて駐車場に出ると、見慣れた夫の車が停まっていた。
夫が迎えに来るなんて、いつ以来だろう。
私はちょうど、同じ職場の契約社員の男性と並んで歩きながら笑っていた。
夫が車を降りてきた。私を見て、隣の男を見て、低い声で言った。
「最近、家にいない理由はこれか」
「違う、ただの同僚だってば!」
「ふうん」
彼は気まずそうに会釈して去っていった。
残された車内で、夫はずっと前を向いたまま何も言わなかった。
エンジン音だけが響く中、私も何と言えばいいのか分からず、窓の外を眺めていた。
「弁解、しないんだな」
「…だって、本当に何もないもの」
「そうか」
夫の横顔は、怒っているというより、どこか傷ついて見えた。
頼る相手を間違えていた数週間
家では、もう何年も会話らしい会話がなかった。
短い返事だけのすれ違い。そんな中で、年下のあの彼はいつも私の愚痴を聞いてくれた。
「奥さんのこと、旦那さんは分かってないんですよ」
「そんなこと、ないと思うけど」
「いや、絶対そうです」
断言されると、なんだか自分が可哀想な人みたいに思えてくる。
休憩室で、彼がさらに顔を近づけて言ったことがあった。
「大事にされてないですよね、でも何かあったら自分に相談してくださいね」
その一言に、私は弱っていた心を持っていかれた。
家で言えない本音を、彼になら言える。
そう思い込んで、頼る時間ばかりが増えていった。今思えば、向き合うべき相手を、すっかり間違えていたのだ。
ぶつけ合って分かった本音
その夜、夫は布団に入る前に、思いつめた顔で切り出した。
「ずっと、俺といても楽しくないんだと思ってた」
「私こそ、あなたにもう必要とされてないと思ってた」
言葉にした途端、二人とも黙ってしまった。
すれ違っていたのは気持ちの量じゃなく、伝える勇気のほうだった。
「俺も悪かった。仕事を言い訳に、ちゃんと向き合ってこなかった」
「私も、あなたに何も言わずにため込んでた」
「もう一度、ちゃんとやり直したい」
夫がそう言って、私の手を握った。
冷えていた指先に、久しぶりに人の体温が伝わってくる。甘い言葉に流されかけた自分が、急に恥ずかしくなった。
本当に欲しかったのは、優しい言葉をくれる誰かじゃなく、この人と過ごす当たり前の時間だったのだ。
翌日から、私はあの男性と必要以上に話すのをやめた。代わりに、家に帰ったら今日あったことを夫に話す。たったそれだけで、背中合わせだった夜が、少しずつ温かくなっていった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














