「奥さんにバレないように会おうね」彼のスマホに来た通知。だが、浮気の証拠を並べた結果
減っていく約束
結婚を意識して3年付き合った彼が、急によそよそしくなった。
「最近、仕事が立て込んでてさ」
「そっか。落ち着いたら教えてね」
会える日が、月に一度、また一度と減っていく。気のせいだと思いたかった。
ある夜、テーブルに置かれた彼のスマホが点滅した。覗くつもりはなかったのに、通知の文字がはっきり読めてしまった。
「奥さんにバレないように会おうね」
奥さん。私たちは結婚していない。
彼はこの相手に、私を妻だと話していた。会う頻度が減ったのは、忙しいからではなかったのだ。
証拠を集める側へ
その場で問い詰めれば、彼は「見間違いだ」と笑ってかわすだろう。
3年も一緒にいれば、彼の逃げ方は分かっていた。
「おやすみ。週末、楽しみにしてるね」
「うん、おやすみ」
私はいつも通りに振る舞い、翌朝そっと家を出た。向かった先は、探偵事務所だった。
「証拠が欲しいんです。きちんとした形で、残るものを」
担当者にそう伝えながら、自分でも驚くほど声は落ち着いていた。
叫びたい気持ちは、もう涙ではなく、別のものに変わっていた。
数週間後、報告書が私の手元に届く。
ホテルへ出入りする彼と相手の写真、日時。すべてが克明に記録されていた。
そして相手の名前を見て、私は息を呑んだ。同じ会社の、他部署の後輩女性だったのだ。
(顔も知ってる。あの子だったんだ)
朝の挨拶を交わしたこともある後輩。彼女もまた、私の存在を「妻」だと聞かされていたのだろうか。
怒りより先に、頭が冷えていくのを感じた。ここからは、私が筋書きを書く番だった。
差し出した一通
私が指定したのは、休日のホテルのラウンジ。
何も知らない二人は、並んで現れた。
「話って、何かな」
彼は脚を組み、余裕の表情だった。私は鞄から探偵の報告書を取り出し、続けてサイン済みの婚約不履行に関する書類を、テーブルに広げた。
「全部、ここにあります。確認してください」
「何これ。冗談はやめてくれよ」
彼は笑い飛ばそうとして、ページをめくった指が、ホテルの写真で止まった。
「待って、これは何かの間違いで」
声が、みるみるうわずっていく。隣の後輩が、震える声で口を挟んだ。
「先輩、奥さんがいるって聞いてました」
「それは…いや、その」
彼は言葉を継げず、書類とラウンジの天井を交互に見て黙り込んだ。
私を妻と偽っていた男の顔から、すっと血の気が引いていく。
「きちんと、終わらせます」
私が席を立っても、二人はうつむいたまま動けなかった。余裕の顔で現れた彼は、ただ小さくなって座っているだけだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














