義母「実家で料理習わなかったの?」→夫「母さんより妻の飯が好きだ」3年貶され続けた嫁の隣で姑が黙った
出された料理を睨む義母
妻が腕によりをかけた食事も、母の前ではいつも品定めの対象になる。
その日の主菜は、妻が前の晩から仕込んだ肉じゃがだった。じっくり煮込まれて、味も染みている。
ところが母は一口食べると、眉をひそめてこう言った。
「実家で料理習わなかったの?」
妻の箸が止まった。
「すみません、次はもっと勉強します」
妻はいつもそうやって頭を下げる。結婚してからの3年、母が来るたびに繰り返されてきた光景だった。
味が薄い、盛り付けが地味、段取りが悪い。母の口から褒め言葉が出たことは、ただの一度もない。
妻はそのたびに背筋を伸ばして頭を下げ、翌週にはまた新しいレシピを覚えてくる。母が好きだと言っていた煮物を、何度も練習しているのを俺は知っていた。それでも母の物差しに、妻の努力が届いたことは一度もない。品定めの視線を浴びながら小さくうなずく妻を見るのは、正直、料理をけなされる本人以上につらかった。
妻の隣で告げた本音
俺はその夜、もう黙っていられなかった。
「母さん、ひとついい?」
「なによ、改まって」
「母さんより妻の飯が好きだ」
母は一瞬、言葉の意味がわからないという顔をした。
「……なんですって?」
「俺はこの家で毎日、妻の料理を食べてる。どれも美味いと思ってるんだ。その飯を、母さんが来るたびにけなすのは、もうやめてほしい」
母は反論しようと口を開いた。「私はこの子のためを思って……」
「ためを思うなら、まず美味しいって言ってやってよ」
母は言葉に詰まり、視線を落とした。切り返す言葉を探しているようだったが、何も出てこない。いつもなら「あなたは母親の味方でしょう」と畳みかけてくるのに、その言葉すら出てこないようだった。しばらくして、小さく息を吐いた。
「……そう。あなたが、そう思ってるのね」
「思ってる。ずっと言えなかっただけだ」
母はしばらく箸を見つめたあと、ぽつりと言った。
「……肉じゃが、味は悪くなかったわ」
絞り出すようなその一言に、妻が驚いた顔で母を見た。
帰り際、母は靴を履きながらぽつりと言った。「また、寄らせてもらうわね」。声のトーンは、いつもより少しだけ低かった。玄関を出るとき、母はもう妻の顔をまともに見ようとはせず、逃げるように背を向けた。品定めをする側だったはずの人が、今日は目を伏せていた。
玄関のドアが閉まると、妻が俺の腕をそっとつかんだ。「……守ってくれて、ありがとう」
その手は少しだけ震えていて、俺はただ、うなずいて返した。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














