「お風呂、後で入るから」全家事を終えた夫。だが、なかなかお風呂に入らない妻に言えなかった本音とは
玄関を開けた瞬間から始まる第二勤務
俺は30代の会社員で、子どもは保育園に通う年中の男の子だ。共働きの家庭で、朝の送りは妻、夜の運用はほぼ俺が担当している。
残業を切り上げて家に帰り着くと、玄関を開けた瞬間に「パパおかえり、お風呂入る!」と子どもがすっ飛んでくる。
ネクタイを緩める時間も鞄を置く時間もない。そこから就寝までの2時間半、ノンストップで動き続けるのが平日の俺の役割になっていた。
鞄を置く間もなく一緒に湯船に浸かり、子どもの体を洗いながらその日の保育園での話を聞く。上がってからは妻が温めておいた夕飯を子どもに食べさせる。
野菜を細かく切り、好き嫌いをだましだまし口に運び、最後にデザートのヨーグルトで締める。途中で椅子から立ち上がろうとする子どもを座らせ直し、こぼした牛乳を拭き、エプロンに飛んだソースをぬぐう。
食器を全部流しに下げて洗い終える頃には、もう21時近い。
子どものパジャマを替え、歯磨きをして、絵本を読む頃には自分のほうが眠い。背中をさすりながら寝息が落ち着いたのを確認してリビングに戻ると、ソファでスマホを見ていた妻が顔だけこちらに向ける。
俺は努めて穏やかな声で言う。
「お風呂、もう沸かしてあるよ」
返ってきたのは短い一言だった。
「お風呂、後で入るから」
飲み込み続けた頼みごと
否定したい気持ちより、ため息のほうが先に出てしまう。妻だって日中に仕事と保育園の送りをこなしてヘトヘトなのは分かる。1人時間が必要なのも理解できる。けれど俺の中では「妻が早めに風呂に入ってくれれば、その後の風呂掃除も済ませて明日の朝が1楽になる」という計算がずっと回っている。
本当は言いたい。先に風呂入っといてくれない?洗濯機回しといてくれない?でも口を開きかけて止まってしまう。
「私だって疲れてるんだけど」と返される場面を想像してしまうからだ。それを聞いた瞬間に俺もカッとなる予感がある。だから飲み込む。
結局、妻が風呂を上がるのは22時過ぎだ。眠気で限界の俺は寝室に倒れ込み、翌朝5時半に早起きして風呂掃除をする。
湯垢が乾く前にこすったほうが楽だからと、毎日同じ手順で繰り返している。妻が上がった直後に掃除してくれれば、それだけで朝の時間が浮く。
妻に悪気がないのは分かっている。だから余計に、頼みごと1つを切り出せない自分が情けない。けれど、頼んでも変わらなかったら今度こそ夫婦の空気が悪くなる気がして、今夜もまた俺は黙って蛇口を磨いている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














