「200万近く、引き出されてる」祖母の貯金から消えたお金。だが、叔母夫婦を問い詰めると最悪な事実が発覚
とぼけた叔父
祖母が亡くなったあと、私は叔父を問いただしていた。
預けたはずの祖母の貯金が、大きく減っていたからだ。
「祖母の貯金、ずいぶん少なくなってましたね」
叔父は私の顔も見ずに、ぶっきらぼうに言い放った。
「わしは知らんぞ」
そのとぼけ方が、かえって答えになっていた。ここに至るまでの、数か月の出来事が頭をよぎった。
消えた200万
始まりは、祖母の入院だった。
金遣いの荒い祖母の通帳を、長女の叔母が預かっていた。
しっかり者だからと、家族の誰もが任せて安心していた。
父が入院費を出そうと切り出すと、叔母はなぜか渋った。
「あのお金は、まだ使わない方がいい」
理由を尋ねても、同じ言葉が返ってくるだけだった。何度頼んでも、通帳を見せようとしない。
「いくらあるのか、一度見せてほしい」
「今度でいいでしょう」
おかしいと感じた父が、とうとう叔母の家まで出向いて通帳を開いた。私も横で覗き込んだ。
「200万近く、引き出されてる」
残高はごっそり減っていた。何度も引き出された記録が、ずらりと並んでいる。
数字を目で追う父の横顔が、みるみるこわばっていった。問い詰められた叔母は、顔を伏せてとうとう白状した。
夫である叔父の商売の借金を、祖母の貯金で埋めていたのだ。
「いつか返すつもりだったの」
いつか、が来る保証はどこにもなかった。震える声に、言い訳の色がにじんでいた。減った200万は、結局戻ってこなかった。
空いた席
通帳はその後、母が引き取った。残りをかき集め、祖母の葬式はどうにか出すことができた。
叔母は青い顔で受付を手伝い、私と目を合わせようとしなかった。
迎えた葬式当日、参列者の中に叔父の姿はなかった。連絡もない。誰かが電話をかけても、留守番電話に切り替わるばかりだった。並んだ親族の椅子で、一つだけ空いたままの席があった。空席が、静かに彼の不在を示していた。
「後ろめたくて、来られなかったんでしょう」
親族の誰かが、ぽつりとそう漏らした。誰も叔父をかばわなかった。むしろ、その一言に何人かが小さくうなずいていた。
やはり叔父は、すべて知っていたのだ。「知らんぞ」の一言も、葬式を欠席したことも、それを裏づけていた。知らないなら、堂々と顔を出せばいい。出られなかったのは、後ろ暗さがあったからにほかならない。
逃げ切ったつもりでも、身内の中に居場所はもう残っていない。あの日以来、叔父から連絡が来ることは一度もなかった。空席が、そのことをはっきりと告げていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














