「けっこう落ちてるんだよ」レジ前から聞こえた謎の音。だが、客の信じられない行動に絶句
レジの前から聞こえた、不自然な音
高校生の頃、私はコンビニでアルバイトをしていました。
その日は夕方から21時までのシフトで、店内にいたスタッフは私と、同じ高校に通うアルバイトの2人だけでした。
夜になって客足が落ち着き、私は売り場で商品の日付を確認していました。
もう一人は、ちょうどバックヤードで納品された荷物を受け取っていました。
すると、レジのほうから「ガサガサ」という音が聞こえてきました。
最初は何か商品でも落ちたのかと思いました。しかし音は何度も続きます。
気になってレジへ向かうと、一人の男性客がカウンターの前にしゃがみ込んでいました。
手には、店に入ってきたときから持っていた長い傘があります。
傘の先で、小銭をかき出していた
男性は傘の先をレジ台の下に差し込み、左右に動かしていました。
すると、隙間から硬貨が一枚転がり出てきました。
男性はそれを拾い上げると、私を見て笑いながら言いました。
「ここ、小銭落ちてるな。1枚拾ったぞ」
私は一瞬、何をしているのか理解できませんでした。
しかし男性は悪びれる様子もなく、再び傘をレジ台の下へ差し込みます。
「こういうところ、けっこう落ちてるんだよ」
ガサガサと傘の先を動かす姿を見ながら、私はその場に立ち尽くしていました。
本当は「やめてください」と言うべきだったのだと思います。
けれど当時の私はまだ高校生でした。相手は大人の男性です。注意して怒鳴られたらどうしようと思うと、怖くて声が出ませんでした。
結局、男性はしばらくレジ下を探ったあと、商品を一つ購入して店を出ていきました。
店長が防犯カメラを確認した結果
自動ドアが閉まった瞬間、私はようやく肩の力が抜けました。
バックヤードから戻ってきた同僚に、さっき起きたことを話しました。
「それ、店長に伝えたほうがいいよ」
私も同じことを思いました。その日のうちに連絡ノートへ状況を書き、翌日、店長にも直接説明しました。
店長は防犯カメラを確認したそうです。
そして、「次に同じような人が来ても、自分たちだけで無理に注意しなくていい。すぐに連絡して」と言われました。
数日後に出勤すると、レジ台の下には板が取り付けられていました。傘の先を差し込めるほどの隙間は、きれいに塞がれていました。
あのとき何も言えなかった自分を、しばらく情けなく感じていました。
でも、高校生のアルバイトが無理に相手を止めるより、まず周囲の大人や責任者に伝えることも大切なのだと、店長の対応を見て初めて気づきました。
今でもレジ台の下を見ると、ときどきあの夜の乾いた音を思い出します。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














