「ほんと、誰にでもいい顔するよね」私を笑っていたママ友。だが、自分の子の素朴な一言に黙り込んだ瞬間
「誰にでもいい顔するよね」と笑われて
娘が幼稚園に通っていた頃、近所の公園でよく顔を合わせるママ友がいました。
その人は好き嫌いがはっきりしていて、親しい相手にはよく話しかける一方、苦手な人にはほとんど挨拶もしません。
私は子ども同士が同じ園に通っていることもあり、顔を合わせれば誰にでも挨拶するようにしていました。
ある日のこと、公園のベンチで話していると、ママ友が笑いながら言いました。
「ほんと、誰にでもいい顔するよね」
冗談めいた口調でしたが、少し引っかかりました。
「挨拶くらいはするかな。子どもたちも一緒に遊ぶし」
そう答えると、ママ友は「私は無理だなあ」と肩をすくめました。
考え方が違うだけだと思い、それ以上は何も言いませんでした。
近づいてきた男の子に
数日後、娘とそのママ友親子と一緒に、また同じ公園へ行きました。
子どもたちが砂場で遊んでいると、同じ幼稚園の男の子がこちらに気づきました。
「一緒に遊ぼう!」
そう言いながら走ってきます。
すると隣にいたママ友が、小さくため息をつきました。
「あの子来たんだ。そろそろ帰ろっか」
本人に聞かせるつもりはなかったのでしょう。
けれど、思ったより声が通ってしまったようでした。
男の子は途中で足を止め、少し戸惑った顔をしました。
私も何と声をかけようか迷った、そのときです。
子どものひと言に、母親が黙った
ママ友の子が母親を見上げて言いました。
「ママ、そういうこと言わないでよ。聞こえてるよ」
責めるというより、本当に困ったような声でした。
ママ友は一瞬言葉に詰まりました。
「いや、別にそういう意味じゃ……」
そう言いかけましたが、男の子がこちらを見ていることに気づいたのでしょう。
そのまま黙って視線を落としました。
すると娘とママ友の子が男の子のところへ駆け寄りました。
「一緒に砂のお城作ろう」
「こっち来て!」
男の子も少し照れたように笑い、三人で砂場へ戻っていきました。
私はママ友に何も言いませんでした。
ただ、先日「誰にでもいい顔をする」と言われたことを思い出しました。
誰と親しくするかは自由です。でも、大人同士の好き嫌いを、子どもたちの関係にまで持ち込む必要はないのかもしれません。
帰り際、ママ友は男の子に小さな声で「さっきはごめんね」と言いました。
男の子は少し驚いたあと、「うん」とだけ答えました。
その後ろでは、三人の子どもたちが何事もなかったように笑っていました。
その姿を見ながら、挨拶くらいは誰にでもしていたいと、私は改めて思ったのでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














