tend Editorial Team

2026.07.04(Sat)

「刺身は義姉ちゃんの分ね」親戚内で優劣をつける義母。あえて、こちらから気を遣うのを辞めた結果

「刺身は義姉ちゃんの分ね」親戚内で優劣をつける義母。あえて、こちらから気を遣うのを辞めた結果

お盆の席で並んだ膳

親戚が揃ったお盆の席だった。

大皿の刺身が運ばれてくると、義母はそれを義姉と夫の前に並べ、私の膳には漬物と少しの煮物だけを置いた。

「刺身は義姉ちゃんの分ね」

悪びれもしない声だった。義姉は当然のように箸をのばす。

結婚して二十年、こうした扱いの差はずっと続いていた。

義実家へ行くたび、私だけ空気が違う。好物が並ぶのは義姉と夫の前で、私はいつも最後に残ったものを受け取る側だった。

それでも角を立てたくなくて、私はその場では「ありがとうございます」とだけ返した。そして誰に頼まれるでもなく、皿を重ね、台所へ立った。

尽くすのを、やめてみた

帰り道、夫に話しても「母さんは悪気ないよ」で終わった。

何気ない扱いの差ほど、じわじわ胸に残る。私はその夜、無理に通うのも、先回りして気を遣うのも、尽くすのも、もうやめると決めた。

次の法要で、私は皿を運ばず、料理も取り分けず、静かに座っていた。すると、これまで私が黙って埋めていた分の穴が、一気に表に出た。

義母は取り皿を配る手が足りず、義姉はお茶が出てくるのを待って苛立っていた。

「あなた、少しは動いてくれてもいいじゃない」義母がとうとう言った。

「今日は、義姉さんの分を優先なさってください。私は端でいただきますので」

義母は言葉に詰まり、頬がこわばった。

義姉に目配せをしても、義姉もばつが悪そうにうつむくだけ。

あれから、義実家へ足を運ぶ回数はぐっと減らした。義母は会うたびに私の好物を気にするようになり、義姉は前のように笑わなくなった。尽くすのをやめて、ようやく対等になれたのだと思う。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.20(Thu)

「これ、来月の支払いは足りるの?」ご祝儀を当てにする夫。合わない金銭感覚に感じた本音とは
tend Editorial Team

NEW 2026.08.20(Thu)

「きれいに咲いてるんです」家庭菜園している近隣住民。だが、本当は伝えたい本音とは
tend Editorial Team

NEW 2026.08.20(Thu)

「雨の日でも、傘は持たないんだね」外出も帰宅も見られていた気がした私。生活の時間を変えた結果
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.05.04(Mon)

「なんでこんなことするの?」常温の棚に冷凍食品を放置する客に注意→「買うのやめたんで」と言う客に片付けさせた方法
tend Editorial Team

2026.08.16(Sun)

「作成は、ほとんど彼女にお願いしていたので」手伝った請求書のミスを押し付けられそうになった私。だが、事実を突きつけた結果
tend Editorial Team

2026.06.11(Thu)

芥川賞作家の平野啓一郎氏が週刊誌報道をもとに高市早苗首相を猛批判。問われる情報の真偽と民主主義のあり方
tend Editorial Team