「もっと黄色いバナナ、ない?」卵とバナナの交換で止まったレジ。だが、後ろにできた列を見た女性の反応
なかなか進まない昼前のレジ
平日の昼前、近所のスーパーで、牛乳とバナナだけを持ってレジに並んだ。
すぐに終わるだろうと思っていたのに、前の会計がなかなか進まない。
前にいたのは50代くらいの女性だった。店員さんが商品を読み取っている途中、女性は卵のパックを持ち上げた。
「これ、もう少しきれいなのない?奥のも見てもらえる?」
店員さんが「こちらでも問題はないと思いますが」と答えても、女性は首をかしげた。
「せっかく買うんだから、別のを見てきてほしいの」
店員さんは「確認してきますね」と言って売り場へ向かった。
別の卵を持って戻ってくると、今度は女性がかごの中のバナナを手に取った。
「このバナナ、ちょっと青いわね。もっと黄色いバナナ、ない?」
「売り場に出ているものは、今朝並べたものなんですが…」
「そうなの?うーん……もっと黄色いバナナ、ない?」
店員さんは少し困った表情を見せたものの、もう一度「見てきますね」と売り場へ向かった。
私も手元のバナナを見た。少し青みは残っていたが、そこまで気になるほどには見えなかった。
5人が待つ列から聞こえた声
ふと後ろを見ると、いつの間にか列が伸びていた。私を含めて5人が会計を待っている。
やがて店員さんが別のバナナを持って戻ってきた。女性はしばらく見比べたあと、最初のものを指さした。
「うーん…やっぱり、最初のでいいわ」
「かしこまりました」
これで終わるかと思ったが、女性は続けた。
「袋、二重にしてくれる?あと、小さい袋も一枚ほしいんだけど」
さらにバッグを開き、今度はポイントカードを探し始めた。
「あれ、どこに入れたかしら…ちょっと待ってね」
そのとき、私の後ろにいた年配の女性が遠慮がちに声をかけた。
「すみません。急かして悪いんだけど、後ろも待ってるから……」
「え?」
女性が振り返り、そこで初めて列に気づいたようだった。
「あ…こんなに並んでたのね」
少し気まずそうにバッグを閉じると、店員さんへ向き直った。
「ごめんなさい。ポイントはもういいです。そのままお願いします」
会計を終えた女性は袋を受け取り、列のほうへ小さく頭を下げてレジを離れた。
「お待たせして申し訳ありません」
店員さんが私たちに頭を下げると、年配の女性は「大丈夫ですよ」と短く返した。
しばらく途切れていた商品の読み取り音が、ようやくまた聞こえ始めた。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














