「他の職員じゃだめだ、お前が一番いい」介護職員にしつこい態度をとる利用者→相談した上司の態度に絶句
「我慢して」で流した上司
介護の仕事に就いて二年目の、まだ二十代半ばの頃だった。
受け持っていた男性の利用者が、私にだけ特別な対応を求めるようになった。
「他の職員じゃだめだ、お前が一番いい」と、事あるごとに私を呼びつける。
私が休むと決まって荒れ、勤務のシフトや私生活のことまで探ろうとした。
ほかの利用者の対応が回らなくなるほど、その執着は度を越していた。
「今日は疲れてるから、お前がずっとそばにいろ」と、私を独り占めしようとする日もあった。
断ると機嫌を損ね、周りの職員にまで当たり散らす。もう私だけの問題では、済まなくなっていた。
困り果てて上司に打ち明けたが、反応は冷たかった。
「利用者の方優先だから我慢して」
それで話は終わり。誰も助けてはくれないのかと、心細さが募った。
利用者だからで片づけられてしまえば、私はただ耐えるしかないのか。理不尽さに、胸がふさがった。
記録を突きつけた日
それでも、泣き寝入りするのは違うと思った。
私はその日から、言われたことや起きた出来事を、こまめに書き残すようにした。
いつ、どんな要求をされ、どんな詮索を受けたのか。日付入りで、淡々と記録していった。
半年ほど続けたノートを手に、私は施設の管理者に面談を申し込んだ。
積み上げた記録を前に、管理者の顔つきが引き締まった。
「よく我慢してくれたね。すぐ対応します」
その言葉に、張り詰めていたものが少しほどけた。ちゃんと受け止めてくれる人が、ここにはいた。
施設は正式に方針を決め、私の担当を変更し、利用者には管理者からきちんと注意がなされた。
職員全員で対応を共有し、私一人に負担が偏らない体制も整えられた。
「仕方ない」と繰り返していた上司は、ばつが悪そうに黙り込んでいた。
担当が変わると知らされた利用者は、しばらく何か言いかけて、結局うつむいた。あんなに強気だった人が、決まりの前ではもう何も言えなかった。
声を上げなければ、きっと何も変わらなかった。記録という形で示したからこそ、施設は動いてくれたのだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














