「そこまでするの?」お金を貸してほしいと言った義妹。だが、急に話を引っ込めた理由
二人きりの台所で頼まれたこと
親族で集まった日のことです。みんなが居間にいる間、義妹と二人で台所に立っていると、少し言いにくそうな顔で声をかけられました。
「ちょっとお願いがあるんだけど……お兄さんにはまだ言わないでね」
何だろうと思って聞くと、少しだけお金を貸してほしいという話でした。
突然だったので驚きましたが、義妹とは普段から普通に付き合っていました。困っているなら、無理のない金額であれば貸してもいいと思いました。
「いくらくらい必要なの?」
義妹が金額を答えたので、私は少し考えてから言いました。
「そのくらいなら大丈夫。ただ、返す時期だけ決めて、簡単な借用書だけ作っておこうか」
責めるつもりはまったくありませんでした。身内だからこそ、お金のことを曖昧にして、あとで気まずくなるのが嫌だったのです。
ところが、それまで小声ながらも具体的に話していた義妹が、急に黙りました。
「え、そこまでするの?」
少し困ったような顔です。
「大げさなものじゃないよ。いくら借りて、いつごろ返すかを書いて、お互いに持っておくだけ」
そう説明すると、義妹はしばらく考えていました。
「うーん……だったら、やっぱりいいかな」
私は思わず聞き返しました。
「大丈夫なの?」
「うん。ちょっと別の方法を考えてみる」
さっきまでの頼みごとが、そこであっさり終わってしまいました。
理由は聞かないことにした
私は、それ以上は聞きませんでした。
借用書が嫌だったのかもしれませんし、そこまでして借りるほどではないと思い直したのかもしれません。本当の理由は、今も分かりません。
ただ、貸す側と借りる側で認識が違ったまま話を進めなくてよかったとは思っています。
その後、義妹からお金を貸してほしいと言われたことは一度もありません。
だからといって、関係が気まずくなったわけでもありません。親族で集まれば普通に話しますし、一緒に料理をすることもあります。あの日の話を蒸し返したこともありません。
身内だから何でも曖昧にしていいわけではなく、身内だからこそ最初に決めておいたほうがいいこともある。あの出来事以来、私はそう思うようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














