「この番号、あんたにつながるの?」商品を見ずに連絡先ばかり気にする客。だが、我慢出来ずに正論をぶつけた結果
商品ではなく、ショップカードを手に取った客
週末のハンドメイドマーケットで、私は自作のアクセサリーを販売していました。
ブースにはピアスやブローチを並べ、その横にショップカードも置いていました。カードには、オーダーや作品について問い合わせてもらうための電話番号を載せています。
朝から会場はにぎわい、立ち止まったお客さんがアクセサリーを手に取ってくれました。
「ママ、これかわいい」
「ほんとだ。きれいな色だね」
親子が楽しそうにブローチを選ぶ姿を見ながら接客していると、昼すぎ、一人の中年男性がブースの前に立ちました。
ところが男性は、並んでいるアクセサリーにはほとんど目を向けません。しばらくすると、ショップカードを一枚手に取りました。
そして、印刷されている電話番号を指さして聞いてきたのです。
「この番号、あんたにつながるの?」
「作品についてのお問い合わせはこちらで受けています」
そう答えると、男性はカードを見たまま笑いました。
「じゃあ、電話したら話せるってことだよな。俺、暇なときあるからさ」
冗談のつもりだったのかもしれません。しかし、作品について尋ねる様子はなく、私には連絡先を面白半分に扱われているように感じました。
周りにはほかのお客さんもいます。
曖昧に笑って流すこともできましたが、このままでは本当に商品とは関係のない電話がかかってくるかもしれません。
仕事用の番号だとはっきり伝えた
私は表情を変えず、男性に伝えました。
「こちらは注文や作品についてのお問い合わせ用です。それ以外のお電話には対応していません」
男性は少し意外そうな顔をして、私を見ました。
「なんだよ、冗談だよ」
私はそれ以上言い返さず、軽く会釈しました。
すると男性は、手にしていたショップカードを元の場所へ戻しました。少し気まずそうに周囲を見たあと、そのまま人混みの中へ離れていきました。
大きな言い争いになったわけではありません。それでも、仕事のために公開している連絡先だからといって、どんな目的で使われてもいいわけではありません。
それ以来、ショップカードを置くときは、問い合わせ先であることがより分かりやすい表記にしました。
しばらくすると、別のお客さんがブローチを手に取りました。
「これ、色違いもありますか?」
「はい、こちらにあります」
私は気持ちを切り替え、いつものように作品の説明を始めました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














