「もうかなり長くいらっしゃるんですが」食後もお店に長居した3人の客。だが、店長が声をかけた結果
久しぶりに会った3人だったようです
正月2日のことです。
私が働いていたうどん店は、11時の開店前から何組かのお客様が並んでいました。
開店すると、20代くらいの女性3人が入ってきて、奥のテーブル席につきました。
注文されたのは、かけうどんを一杯ずつです。
料理を運ぶと、3人は楽しそうに話しながら食べ始めました。
会話の内容が聞こえてくるわけではありませんでしたが、「久しぶり」「全然会えてなかったよね」という声が時折聞こえてきます。
どうやら、久しぶりに集まった友人同士だったようです。
15分ほどで食事を終えたあとも、3人の話は続いていました。
外で待つお客様が増えていきました
正月ということもあり、昼が近づくにつれて店内は混み始めました。
満席になると、入口の名簿に名前を書いて外で待っていただきます。
寒い日だったため、順番が来るまで近くで待っている方もいました。
一方、奥の3人は食べ終えたどんぶりをテーブルの端へ寄せたまま、話を続けています。
最初は私も、すぐに席を立つだろうと思っていました。
しかし、12時を過ぎても、1時を過ぎても3人はそのままでした。
ときどきスマートフォンを見せ合ったり、笑ったりしています。時間を気にしている様子はありません。
私はまだ働き始めたばかりでした。
長居しているお客様に自分の判断で退店をお願いしていいのか分からず、店長に相談しました。
「奥のお客様、もうかなり長くいらっしゃるんですが…」
店長は外の名簿を確認しました。
その時点で、店の外では7組ほどが順番を待っていました。
店長が静かに伝えたこと
店長は私から名簿を受け取ると、「私が行きます」と言って奥の席へ向かいました。
「お話のところ申し訳ありません」
3人が店長を見上げます。
「ただいま外でお待ちのお客様が増えておりまして、恐れ入りますが、お食事がお済みでしたらそろそろお席をお譲りいただけますでしょうか」
店長は責めるような言い方をせず、いつもと変わらない口調で伝えました。
女性の一人が入口のほうを振り返りました。
「あ、本当だ。こんなに待ってたんだ」
別の女性も時計を確認して、驚いた顔をしました。
「もうこんな時間だったんだ。話し込んじゃったね」
3人はすぐに上着とバッグをまとめました。
「すみません、長くいすぎました」
そう言って会計を済ませ、店を出ていきました。
悪気があったというより、久しぶりの再会で話が弾み、時間を忘れてしまっていたのでしょう。
翌週、テーブルに置かれたもの
翌週、店長は各テーブルに小さな案内を置きました。
混雑時は、食事を終えたあと長時間の滞在を控えてほしいという内容です。
私は店長に聞きました。
「この前、私がもっと早く声をかけたほうがよかったですか」
すると店長は首を横に振りました。
「お客様に悪気がなくても、店が混んでいることに気づかない場合はありますからね」
そして、案内を指さしました。
「誰かが注意しなくても分かるようにしておいたほうが、お互い気まずくならないでしょう」
長居した3人を責めるのではなく、次から同じことが起きにくい仕組みに変える。
その店長の対応を見て、伝え方ひとつで店の空気はずいぶん変わるのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














