「若い男がよく出入りしてるみたいだけど」両親の介護に協力的な妻。だが、カメラが捉えた最悪の瞬間とは
手伝いに来る若い男
一回り以上年下の妻は、年寄りの世話が得意だと言っていた。その言葉どおり、老いた両親の介護をよく引き受けてくれ、私は仕事に専念できていた。
変化に気づいたのは、幼馴染の一言だった。
「お前んち、若い男がよく出入りしてるみたいだけど、聞いてるか?」
「介護を手伝ってもらってるって、妻から聞いてるよ」
「昼間、二人だけのことが多いみたいでな。念のためな」
手伝い自体は、確かに妻から聞いていた。だから、その場では笑って受け流した。
それでも、一度差し込んだ疑念は消えない。妻の帰りが遅い日、私を避けるような目。考えまいとするほど、胸の奥がざわついた。
寄り添う二人
確かめずにいられず、私はリビングの隅に、小さなカメラを置いた。両親の入浴介助がある日を、わざと狙った。
後で映像を再生して、目を疑った。
両親が浴室にいるあいだ、リビングで妻と若い男が、身を寄せ合って抱き合っていたのだ。
介護のために雇った手伝いと、自分の妻が。
受け止めるのに、しばらくかかった。
その日一日、私はずっと上の空だった。何かの間違いだと思いたい気持ちと、もう疑いようがないという現実とが、頭の中でせめぎ合っていた。
その夜、私は黙ってその場面を妻に見せた。
てっきり謝るものと思っていた。
「勝手に撮ったの?信じられない」
妻は映像から目をそらし、声を荒げた。
「映ってるのは、お前たちだぞ」
「私のこと、ずっと監視してたわけ?最低」
自分が何をしていたかには、まるで触れない。話をすり替え、私をなじる声だけが、部屋に響いた。
縁側に戻った静けさ
翌朝、私は両親に、見たままを正直に話した。介護をしてくれた人を疑わせるのは、本当に心苦しかった。
けれど両親は、私が思っていたよりずっと、はっきりしていた。
「介護してもらう身でも、息子を裏切る人とは一緒に暮らせない」
父のその言葉を妻に伝えた瞬間、強気だった表情が一気にこわばった。言い返そうと口を開きかけて、声にならない。
細い声で食い下がっても、もう誰も振り向かなかった。母は静かに首を振り、父は黙ったままだ。妻はしばらくその場に立ち尽くしていたが、やがて何も言わずに荷物をまとめ始めた。
あれほど強気だった人が、ひと言の反論もできずにいた。出入りしていた男とも、それきり気まずくなったらしく、彼女は自分から家を出ていった。
介護は地域のサービスと家族で組み直した。縁側で両親とお茶を飲んでいると、ようやく家に静けさが戻ったのを感じた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














