「500万で養えるのか、頼りないぞ」親戚の前で年収を笑った義父。だが、義父があとで謝ったワケ
妻の実家で迎えた三度目のお盆
妻と結婚して、三度目のお盆のことです。
妻の実家には親戚が大勢集まり、座敷では義父や叔父たちが食事をしながら話に花を咲かせていました。
私も妻の親戚と顔を合わせる数少ない機会なので、空いたグラスに気を配りながら、その輪に加わっていました。
仕事や物価の話をしているうちに、話題は私の勤め先へ。
すると義父が、何気ない調子で尋ねてきたのです。
「ところで、今は年収どのくらいなんだ?」
親戚の前で答えることには少し抵抗がありましたが、義父に聞かれてごまかすのも変な気がして、私は正直に答えました。
「年収は、だいたい500万円くらいです」
すると義父は少し驚いたような顔をしてから、笑いながら言いました。
「500万で養えるのか、頼りないぞ」
叔父のひとりも、「これからいろいろ金がかかるからな」と笑います。
私はどう返せばいいのか分からず、「まあ、頑張ります」とだけ答えました。
台所にいた妻が口を開いた
座敷のすぐ隣の台所では、妻が母親と料理を運んでいました。
義父の声が大きかったこともあり、やり取りは聞こえていたようです。
妻は料理の皿を置くと、義父のほうを見ました。
「お父さん、その言い方はやめて」
義父は「なんだよ、冗談だろ」と笑いましたが、妻は表情を変えません。
「この人は毎日ちゃんと働いてるし、私は頼りないなんて思ったことないよ。みんなの前で収入を笑うのは失礼でしょう」
それまで笑っていた親戚も静かになりました。
義父も娘から真正面に言われるとは思っていなかったのでしょう。少し気まずそうな顔をして、「悪かったよ。そんなつもりじゃなかった」と言いました。
妻はそれ以上責めることなく、私の隣に座りました。
大げさなことを言ったわけではありません。それでも、その場で妻が私の側に立ってくれたことが、ありがたくて仕方ありませんでした。
帰りの車で伝えたこと
帰りは、お酒を飲んでいなかった妻が車を運転してくれました。
しばらく走ったところで、妻が前を見たまま言いました。
「ちょっと言いすぎたかな」
私は首を振りました。
「いや、ありがとう。あそこで言ってくれて助かったよ」
すると妻は、「あれは私でも嫌だったから」とだけ返しました。
親戚の前で収入のことを言われた気まずさは残っていました。それでも、自分が困ったときに妻がきちんと味方になってくれる。そのことが分かっただけで、帰り道の気持ちはずいぶん軽くなっていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














