「座るな、若いんだから手伝え」年下にだけ働けと迫った親戚。だが、その場の空気が変わったワケ
年下にばかり飛んでくる頼みごと
正月、実家には親戚が大勢集まっていました。
座卓には料理が並び、年上の男性たちはテレビで箱根駅伝を眺めながら、ゆっくり酒を飲んでいます。
一方、台所では料理を運んだり、空いた皿を下げたりと、人の出入りが続いていました。
私もひと通り手伝い、少し腰を下ろそうとしたときです。
座卓にいた年上の親戚から、すぐに声が飛んできました。
「座るな、若いんだから手伝え」
続けて、空いた皿や銚子を指さします。
「若い者が働くのが正月だろう。そっちも持ってきて」
私は言われるまま、皿を下げたり、飲み物を運んだりしていました。
しばらくすると、別の親戚からも「悪いね、もう一杯もらえるかな」とグラスを差し出されます。
頼まれること自体が嫌だったわけではありません。ただ、周りを見ると、年上の男性たちは誰も立とうとはせず、私たち年下にばかり声がかかっていました。
「若い」というだけで、ここまで役割が決まるものなのだろうか。少し引っかかりながらも、親戚の集まりで口を挟む気にはなれず、私はそのまま動いていました。
妻の一言で、少しずつ空気が変わった
その様子を、台所にいた妻も見ていました。
何度目かに私が座卓へ呼ばれたとき、妻が手を止めて声をかけました。
「みんなでやろうよ」
突然誰かを責めるような言い方ではありません。
妻は続けて、「せっかくのお正月ですし、手の空いてる人で片づけたら早いですよ」と笑いました。
すると、台所にいた叔母も「そうね。若い人ばかりに頼むのも悪いものね」と声を添えました。
座卓にいた人たちは、一瞬顔を見合わせました。
それから一人が「じゃあ、これ持っていくか」と空いた皿を手にすると、別の親戚も小鉢を重ねて立ち上がりました。
さっきまで私に指図していた親戚も、少し気まずそうな様子で空いた皿を集め始めます。謝るわけではありませんでしたが、その後は私だけに何かを頼むこともなくなりました。
全員が急に考えを変えたわけではないと思います。
それでも、「若い人がやって当然」という流れの中で、妻が何気なく「みんなで」と言ってくれたことで、その場の空気は少し変わりました。
私もようやく座卓に腰を下ろし、残っていた料理に箸を伸ばしました。誰か一人に任せるのではなく、手の空いた人が少しずつ動く。それだけで、正月の集まりはずいぶん過ごしやすくなるのだと感じた出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














