「玄関で会ったのに、何も言わなかった」グループに並んだ写真を見てから、私が気づいてしまった事実
玄関ですれ違う、いつもの朝でした
娘が保育園に通い始めてから、同じクラスのお母さんたちとも少しずつ顔を合わせるようになりました。
朝の玄関はいつも慌ただしく、ゆっくり話す時間はありません。
それでも靴箱の前ですれ違えば、「おはようございます」「今日も暑いですね」と声を掛け合います。
娘同士が仲良くしているお母さんとは、送り迎えのたびに何度か話すうち、自然と顔なじみになっていきました。
クラスの保護者が参加するメッセージグループにも入っていて、行事の持ち物や予定について情報が流れてきます。
私は、特別親しいわけではなくても、自分もその輪の中にいるのだと思っていました。
ある朝も、いつものように数人のお母さんたちと玄関で顔を合わせました。
「今日は暑くなりそうですね」
「ほんとですね。子どもたちは元気ですけど」
そんな何気ない会話をして、それぞれ仕事や用事へ向かいました。
そのときは、特に変わったことがあったとは思いませんでした。
夜に届いた写真を見て、初めて知ったこと
その日の夜、娘を寝かせたあとでスマートフォンを見ると、保護者のグループに何枚か写真が届いていました。
写っていたのは、近所の公園で遊ぶ子どもたちでした。
滑り台で遊んでいる子、砂場に集まっている子。そのそばには、朝に玄関で会ったお母さんたちの姿もありました。
どうやら降園後に、何組かで公園へ行っていたようです。
もちろん、保護者同士が毎回全員を誘わなければいけないわけではありません。
仲のいい人同士で遊ぶことも普通にあると思います。
それでも、私は少しだけ引っかかりました。
写真に写っている人たちとは、その日の朝に玄関で話しています。けれど、公園へ行く話は一度も出ませんでした。
たまたまその場で決まったのかもしれない。そう思おうとしました。
ところが後日、別のお母さんとの何気ない会話から、公園へ行く予定は数日前から決まっていたことを知りました。
数人の間でやり取りをしていたようです。
その瞬間、朝の光景を思い出しました。
同じ玄関で普通に挨拶をして、天気の話までしていたのに、その予定については誰も触れなかったのです。
「玄関で会ったのに、何も言わなかったんだ」
そう気づいたとき、少しだけ寂しい気持ちになりました。
後日、よく話すお母さんと二人になったとき、できるだけ軽い調子で聞いてみました。
「この前、みんなで公園に行ってたんだね」
すると相手は少し申し訳なさそうに答えました。
「いつもお迎えのあと急いでるでしょう?仕事もあるって聞いてたから、誘ったらかえって気を遣わせるかなと思って」
言われてみれば、私はいつも時間に追われています。娘を迎えるとすぐ帰ることも多く、ゆっくり立ち話をすることもほとんどありません。
相手なりに気を遣ってくれたのかもしれません。
「そうだったんだ。ありがとう」
私はそう返しました。
それからも、玄関で顔を合わせれば今までどおり挨拶をしています。誰かが悪かったとは思っていません。
ただ、こちらが「輪の中にいる」と思っていることと、相手から見えている距離感は、必ずしも同じではないのだと知りました。
あの日の写真を見るたびに、何気ない人間関係の難しさを少しだけ思い出します。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














