「このお菓子、誰も食べないのよ」夫と選んだ手土産を隅に置いた義母。だが、夫が静かに言い返した一言
夫と一緒に選んだ手土産
お盆に夫の実家へ帰省するとき、私は毎年、手土産選びに悩んでいました。
義母は贈り物の好みがはっきりしている人です。
せっかくなら喜んでもらえるものを持っていきたいと思い、その年は夫にも相談しました。
「去年のお菓子、お義母さんの口に合ったのかな」
「今年は別のお店にしてみようか」
二人でいくつか候補を見比べ、贈答用として評判のよかったお菓子の詰め合わせを選びました。少し値は張りましたが、夫も「これならいいんじゃない」と言ってくれたので、私も安心していました。
きれいに包まれた紙袋を車に積み、義実家へ向かいました。
箱を見た義母の第一声
義実家に着いて挨拶を済ませ、居間へ通されたところで、私は手土産の紙袋を義母に渡しました。
「よかったら、みなさんでどうぞ」
義母は礼を言って受け取りましたが、袋から箱を取り出すと、少し困ったような顔をしました。
「このお菓子、誰も食べないのよ」
さらに箱を見ながら、「これくらいなら近所でも買えるしね」と続け、そのまま座卓から離れた場所へ置いてしまいました。
好みに合わなかったのなら仕方ありません。それでも、夫と相談しながら選んだことを思うと、何も言えずに少し寂しい気持ちになりました。
夫が静かに伝えてくれたこと
すると、隣にいた夫が義母に声をかけました。
「母さん、それ、俺たち二人で選んだんだ」
義母が夫を見ると、夫は責めるような口調にはならず、そのまま続けました。
「喜んでもらえるかなって話しながら決めたからさ。そんなふうに置かれると、ちょっと悲しいよ」
義母はしばらく黙って箱を見ていました。
「……そう。二人で選んでくれたのね」
大げさに謝ったわけではありません。ただ、そのあと義母は自分で箱を座卓の端へ戻しました。
しばらくしてお茶の時間になると、箱を開けて「せっかくだから食べましょうか」と親戚にも勧めていました。義母自身もひとつ口にしていましたが、私は味の感想を聞こうとはしませんでした。
手土産を気に入ってもらえたかどうかよりも、夫が私たち二人で選んだ気持ちを、その場でちゃんと言葉にしてくれたことがうれしかったのです。
帰りの車で「言ってくれてありがとう」と伝えると、夫は「俺も一緒に選んだんだから」とだけ返しました。その一言が、いつまでも心に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














