「どきなさい!うちの子が遊んでる」遊具を譲らない親子。だが、周囲の視線で変わった空気
なかなか回ってこない順番
よく晴れた休日、子どもを連れて大きな公園へ出かけました。園内でも人気の遊具には何人かの子どもが並び、順番が来るのを待っていました。
ところが、一人の男の子がなかなか遊具から離れません。いったん終わっても、そのままもう一度遊び始めます。父親は少し離れたところから、その様子を見ていました。
列の先頭では、まだ幼い女の子がじっと待っています。その子の母親もすぐ近くにいましたが、まずは子ども同士でやり取りするのを見守っているようでした。
しばらくして、女の子が遊具へ一歩近づきました。
「次、わたしね」
すると男の子の父親がこちらへ歩いてきました。女の子が自分の子の邪魔をするとでも思ったのでしょうか。少し強い口調で言ったのです。
「どきなさい!うちの子が遊んでる」
突然大人に大きな声を向けられ、女の子はびくっとして足を止めました。すぐそばにいた母親も驚いたように娘のところへ寄っていきます。
周囲で順番を待っていた親たちも、思わず父親のほうを見ました。
近くで見ていた母親の一言
そのとき、私の前に並んでいたお母さんが父親へ声をかけました。その人も最初から列にいたので、女の子がずっと待っていたことを知っていました。
「この子、ずっと順番を待っていましたよ」
父親は少しむっとした表情を浮かべました。
「うちの子が先に遊んでたんで」
「そうですね。でも、後ろにも待っている子がいますから」
責めるような言い方ではありません。ただ、今起きていることをそのまま伝える声でした。
父親が周囲を見回すと、列にいた何人もの親がこちらを見ていました。さっきまでの勢いは少し弱まり、父親は自分の子へ声をかけます。
「ほら、次の子に代わろう」
男の子も特に嫌がることなく遊具から離れました。どうやら、本人は父親ほど順番を気にしていなかったようです。
女の子の母親は、声をかけてくれたお母さんに小さく頭を下げました。そして女の子も、ようやく自分の番になった遊具へ向かっていきました。
大きな言い争いにはならず、その場はそれで収まりました。子どもが夢中で遊んでいると、親としてはできるだけ続けさせてあげたい気持ちもあるのでしょう。それでも、待っている子に強い言葉を向けるのは違います。
何事もなかったようにまた子どもたちの声が戻った公園で、私もようやくほっとしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














