「これから3件、主人の接待なのよ」自分本位なママ友。だが、別のママ友の一言に絶句
画面に並んだ三つの文
子どもを寝かしつけたあと、クラスのメッセージアプリに一言だけ書きました。
行事の準備がようやく終わった夜のことです。
「やっとゆっくりできる」
返信はすぐに付きました。同じ園のママ友からです。
「ゆっくりできて羨ましい」
「これから3件、主人の接待なのよ」
「だからネイルにも美容院にも行かなきゃ」
三つ続けて並んだ文を、私はしばらく眺めていました。
ほかのママからの返信は付きません。私の一言は、その下に静かに埋もれていきます。
この人はいつもそうでした。こちらが何か言うと、必ず自分の話に置き換えて、上から塗り替えてしまうのです。
悪気があるのかどうかも分かりません。ただ、話し終える前に次の声がかぶさってくる感覚だけが残りました。
翌朝の送迎でも同じです。門の前で会うなり、彼女は私の肩のあたりに目を止めました。
「あれ、バッグ新しいの買ったの」
「うん、ちょっと奮発しちゃった」
「そのバッグ、私持ってるわ」
3秒もかかりませんでした。周りのママたちは園庭のほうへ視線を逃がし、その話はそこで終わります。
短くなっていった相槌
行事のあと、廊下に残った数人で紙コップにお茶を注いでいたときのことです。
隣にいたママが、私の足元の荷物を見て声をかけてきました。
「それ、素敵ですね。どこのですか」
店の名前を言いかけたところに、いつもの声がかぶさります。
「うちは似たのを持ってるって、この前も話したよね」
聞いてきたママは、慌ても笑いもしませんでした。
少し間を置いて、静かに続けたのです。
「そうなんですね。ところで、さっきのバッグの話、どこのお店ですか」
誰も責めていません。話を一度だけ元に戻しただけでした。
彼女は口を開きかけて、そのまま止まりました。言いかけた言葉を飲み込み、視線を窓の外へ流します。
廊下が静かになったのは、ほんの数秒でした。
「私も気になってました」
「駅の近くのお店ですか」
ほかのママたちの声が重なって、話は私の答えを待つ形で進んでいきます。
それからでした。彼女が誰かの話に自分の話を重ねても、返ってくるのは、へえ、の一言だけになったのです。
誰も詳しく聞き返しません。少し置いて、別のママが元の話題に戻します。
本人も気づいたのだと思います。話を重ねる回数が減り、最近は人の話を最後まで聞いてから口を開くようになりました。
先日は、私のほうへ小さく近づいてきて言いました。
「あのお店、今度教えて」
「いいですよ」
張り合う必要はもうありません。あの廊下で声をかけてくれたママとは、送り迎えのたびに立ち話をするようになりました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














