「全部、前から知ってたよ」妻に内緒でカード2社を限度額まで使った僕。夕食後、笑顔で並べられた封筒に背筋が凍った
妻に言えなかったお金のこと
妻の妊娠が分かったのは、結婚してまだ間もないころでした。
当時、僕にはほとんど貯金がありませんでした。
お祝いでいただいたお金も、ベビー用品をそろえるうちに減っていきました。
これから子どもが生まれるのに、お金が足りないなんて言えない。
妻を不安にさせたくなくて、足りない分はクレジットカードで払うようになりました。
以前から持っていた投資の口座でも損をしており、生活費はますますカード頼みに。
気がつけば、2社のカードがどちらも限度額に達していました。
ある夜、ソファで携帯電話の利用明細を確認していると、妻に声をかけられました。
「どうしたの?何かあった?」
「いや、仕事のことでちょっとね」
「そう?なんか難しい顔してたから」
「大丈夫だよ」
僕は慌てて画面を伏せました。
結局、僕は使っている銀行でローンを組み、カードの返済をまとめることにしました。
もちろん、妻には内緒です。
借りたお金は家族で使っている口座に振り込まれたので、入金履歴には残っていました。
ただ、妻はふだん口座の画面を確認しないと思っていたので、気づかれないだろうと考えていました。
カード会社から届く封筒も、寝室の引き出しの奥にしまっていました。
自分から話さなければ、知られずに済む。そんな甘い考えだったのです。
妻が並べた封筒を見て、言葉を失った
ある夜、夕食を終えたあと、妻が僕の向かいに座りました。
テーブルの端には、何通かの封筒が重ねて置かれています。
「ねえ、ちょっと聞いてもいい?」
「うん、何?」
妻は携帯電話をこちらに向けました。
画面には、家族で使っている口座の入金履歴が表示されています。そこには、ローンで借りたお金の記録が残っていました。
「この入金って、何のお金?」
「ああ、それは……」
すぐに答えられずにいると、妻はテーブルの封筒を僕の前に並べました。
見覚えのある封筒ばかりです。引き出しの奥に隠していた、カード会社からのものでした。
「これも見つけたんだけど」
「……引き出しの中、見たの?」
「うん。全部、前から知ってたよ」
妻はそう言って、少し笑いました。
僕は何も言えなくなりました。隠していたものが、すべて目の前に並んでいるのです。
「……ごめん。言わなきゃとは思ってたんだけど」
ようやくそう言うと、妻は静かに答えました。
「いつ自分から言ってくれるか、ずっと待ってたの」
「……怒ってるよね」
「うん。でも、ちゃんと話してほしかった」
妻は声を荒らげることもなく、僕の顔を見ていました。
怒鳴られるよりも、その落ち着いた様子がつらく感じられました。
その夜から、家計はすべて妻が管理することになり、僕は少しずつ返済を続けています。
寝室の引き出しの奥には、もう何も隠していません。
今でも食卓で妻と向かい合うと、あの夜の笑顔を思い出すことがあります。
妻はほかにも何か知っているのだろうか。僕が自分から話すのを、まだ待っていることがあるのだろうか。
そんなことを考えてしまいますが、怖くていまだに聞けずにいます。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














