「生活、カツカツなの?」人前で家計を探ってきたママ友。だが、懇談会帰りに周囲の空気が変わった瞬間
同じ質問をくり返すママ友
娘が通う幼稚園に、同じクラスの母親がいた。
面倒見がよく、行事のたびに声をかけてくれる人だった。
ただ、話していると、いつの間にか家のお金の話になることが多かった。
ある日の降園後、園庭のすみで子どもたちを遊ばせていると、その母親が隣に来た。
「ねえ、旦那さんの手取りって、ぶっちゃけいくらなの?」
「え?さあ、どうだったかな」
笑ってはぐらかしたものの、少し間を置いて、また同じことを聞いてきた。
さらに、自分の夫は大手に勤めていて、ボーナスがこれくらい出るという話まで続いた。
その晩、洗い物をしながら夫にそのことを話した。
「今日ね、同じクラスのお母さんに手取りを聞かれたの。同じことを二度も」
「二度も?それで、答えたの?」
「ううん。そこまで話すことでもないし、適当に流したよ」
「それでいいんじゃない」
私もそう思った。比べられても気にする必要はないし、それからもお金の話を振られたときは深く答えず、聞き流すようにしていた。
帰り道で止まった会話
秋の保護者懇談会のあと、数人の母親と一緒に坂道を歩いていた。先生の話を振り返りながら歩いていると、例の母親が突然、私の上着を見て言った。
「いつも同じブランドの服だよね。生活、カツカツなの?」
思いがけない言葉に、私はすぐに返事ができなかった。すると、その母親はもう一度同じことを口にしたあと、さらに続けた。
「無理して私立に入れてないよね?」
それまで話していた母親たちの足が止まった。
私が何か言うより先に、普段はにこにこと話を聞いている別の母親が、その人のほうを向いた。
「それは、ちょっと失礼じゃないかな。人の家のお金のことだし」
強い言い方ではなかった。それでも、その場の空気ははっきり変わった。
「うん…それは聞かなくていいことだと思う」
「私もそう思うよ」
ほかの母親たちも静かにうなずいた。家計のことを聞いていた母親は周囲を見回したあと、「ごめん、先に帰るね」と小さく言い、足早に坂を下りていった。
それから少なくとも私に対して、手取りやボーナスの話を持ち出すことはなくなった。お迎えで会えば、以前と同じように子どもたちの話をする。
数日後、あのとき声をかけてくれた母親と二人になったとき、私はあらためてお礼を言った。
「この前、言ってくれてありがとう。ちょっと困ってたから」
「ううん。あれはさすがに言いすぎだと思っただけ。気にしないで」
その言葉に、私は少し肩の力が抜けた。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














