tend Editorial Team

2026.09.23(Wed)

「生活、カツカツなの?」人前で家計を探ってきたママ友。だが、懇談会帰りに周囲の空気が変わった瞬間

「生活、カツカツなの?」人前で家計を探ってきたママ友。だが、懇談会帰りに周囲の空気が変わった瞬間

同じ質問をくり返すママ友

娘が通う幼稚園に、同じクラスの母親がいた。

面倒見がよく、行事のたびに声をかけてくれる人だった。

ただ、話していると、いつの間にか家のお金の話になることが多かった。

ある日の降園後、園庭のすみで子どもたちを遊ばせていると、その母親が隣に来た。

「ねえ、旦那さんの手取りって、ぶっちゃけいくらなの?」

「え?さあ、どうだったかな」

笑ってはぐらかしたものの、少し間を置いて、また同じことを聞いてきた。

さらに、自分の夫は大手に勤めていて、ボーナスがこれくらい出るという話まで続いた。

その晩、洗い物をしながら夫にそのことを話した。

「今日ね、同じクラスのお母さんに手取りを聞かれたの。同じことを二度も」

「二度も?それで、答えたの?」

「ううん。そこまで話すことでもないし、適当に流したよ」

「それでいいんじゃない」

私もそう思った。比べられても気にする必要はないし、それからもお金の話を振られたときは深く答えず、聞き流すようにしていた。

帰り道で止まった会話

秋の保護者懇談会のあと、数人の母親と一緒に坂道を歩いていた。先生の話を振り返りながら歩いていると、例の母親が突然、私の上着を見て言った。

「いつも同じブランドの服だよね。生活、カツカツなの?」

思いがけない言葉に、私はすぐに返事ができなかった。すると、その母親はもう一度同じことを口にしたあと、さらに続けた。

「無理して私立に入れてないよね?」

それまで話していた母親たちの足が止まった。

私が何か言うより先に、普段はにこにこと話を聞いている別の母親が、その人のほうを向いた。

「それは、ちょっと失礼じゃないかな。人の家のお金のことだし」

強い言い方ではなかった。それでも、その場の空気ははっきり変わった。

「うん…それは聞かなくていいことだと思う」

「私もそう思うよ」

ほかの母親たちも静かにうなずいた。家計のことを聞いていた母親は周囲を見回したあと、「ごめん、先に帰るね」と小さく言い、足早に坂を下りていった。

それから少なくとも私に対して、手取りやボーナスの話を持ち出すことはなくなった。お迎えで会えば、以前と同じように子どもたちの話をする。

数日後、あのとき声をかけてくれた母親と二人になったとき、私はあらためてお礼を言った。

「この前、言ってくれてありがとう。ちょっと困ってたから」

「ううん。あれはさすがに言いすぎだと思っただけ。気にしないで」

その言葉に、私は少し肩の力が抜けた。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.14(Wed)

「下手くその車は奥へ移せ!」運転歴40年を自慢し、駐車場で私を怒鳴る隣の理事。だが、管理人の前で白旗
tend Editorial Team

NEW 2026.10.14(Wed)

「すぐ代わるわよ」水族館で娘の順番を奪った女性。ヒトデに夢中だった彼女に、係員が告げた一言
tend Editorial Team

NEW 2026.10.14(Wed)

「こんなに頼んだ覚えはないぞ!」回転寿司で注文を手伝った私に怒鳴る男性客。注文履歴を見せると態度が一変
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.04.21(Tue)

20代の生活保護が24年で6倍に急増、働いたら損をする制度の壁と現役世代が直面する出口なき困窮の実態
tend Editorial Team

2026.06.16(Tue)

「あれって奢りだよね?」半年で1万踏み倒したママ友。だが、個別会計を頼むと表情が歪んだ
tend Editorial Team

NEW 2026.10.13(Tue)

「年寄りは待てるだろ、俺を先に打て」会計中のおじいさんを押しのけて割り込んだ男性に、若い店員が返した一言
tend Editorial Team